35歳以下を対象に、グランプリ受賞者が個展開催の権利を与えられる公募展「1_WALL」。その第22回写真「1_WALL」展が、7月7日〜8月6日に銀座のガーディアン・ガーデンで開催される。
本展は、ポートフォリオ審査による一次審査と、ポートフォリオレビューによる二次審査を通過したファイナリストたちが、一人一壁面を使って作品を発表するグループ展。会期中の7月30日には、オンライン上のライブ配信による最終審査会(事前申込制)を開催。ファイナリスト6名がプレゼンテーションを行った後、5人の審査員による議論を経て、グランプリが決定する。また、グランプリ受賞者には、1年後の個展開催の権利と、個展制作費30万円が贈られる。
写真界の次世代を担う若手を発掘してきた「1_WALL」で、今回ファイナリストに選出された6名とその作品を紹介していく。
伊藤安鐘
伊藤安鐘は1996年生まれ、武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。週末の旅の中でセルフポートレートを撮影した伊藤は、「週末」を「終末」に連想させることで、ユートピアの世界観を表現する。
小松桃子
小松桃子は1997年生まれ、東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。日常の矛盾や狂気をテーマにした小松は、どことなく怖さを感じる光景を撮る。変わりゆく時代とともに環境や人としてのあり方、そして人間同士の関わりを探る。
権瓶千尋
権瓶千尋は1985年生まれ、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートテキスタイル科修了。文化的背景を共有する・しないことをテーマに人間の振る舞いや関係性を表現する権瓶は、植物をキーワードに制作した映像を展示する。
齊藤幸子
齊藤幸子は1985年生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。日本で暮らすクルド人のコミュニティを撮り続ける齊藤は、一人ひとりの人間として真剣に向かい合うことで、そのなかで出会った若者たちの生き方に焦点を当てる。
佐々木香輔
佐々木香輔は1985年生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。旧日本軍が残した地下壕を撮影した佐々木、写真を通してその足下に広がる空間を想い描く。
薛大勇
薛大勇は2000年生まれ、KTCおおぞら高等学院卒業。台湾で義務付けられている軍事訓練を題材にする薛は、制度と生活のあいだに生じる認識のズレから、台湾人の社会における立ち位置を読み解く。
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なお、今回の写真部門の審査員は、美術批評家の沢山遼、グラフィックデザイナー/美術家の田中義久、写真家の野口里佳、赤々舎代表取締役ディレクターの姫野希美、東京国立近代美術館主任研究員の増田玲の5人が務めている。
一次審査と二次審査を通過した6名による最終プレゼンで、グランプリは誰に与えられるのか。注目したい。
※2020年4月7日追記
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、第22回写真「1_WALL」展および公開最終審査会は、開催を延期することとなった。新しい開催日程は、公式サイトにてご確認ください。
※2020年7月16日追記
第22回写真「1_WALL」展の会期は、7月7日〜8月6日に変更した。公開最終審査会は、7月30日にライブ配信により開催される。