第37回世界文化賞、ジェニー・ホルツァー、アンディ・ゴールズワージーらが受賞【2/3ページ】

建築部門

 建築部門に選出されたダニエル・リベスキンドは1946年ポーランド生まれ。建築を通じて文化的記憶を喚起する卓越した表現力で知られ、建築・都市デザインの国際的な第一人者でもある。ホロコースト生存者の両親のもと誕生したという過酷な出自もあわせもつ。主な受賞歴に、ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞(1985)、ドイツ建築賞(1999)、ゲーテ・メダル(2000)、ヒロシマ賞(2001)、ドレスデン平和賞(2023)。フランス芸術文化勲章シュヴァリエも受章している。

ダニエル・リベスキンド 自作の素描とともに「ベルリン・ユダヤ博物館」(2026年5月) Photo: Roland Horn © The Japan Art Association

 代表作には、ドイツ・オスナブリュックの「フェリックス・ヌスバウム・ハウス」(1998)の《出口のない空間》や、「ベルリン・ユダヤ博物館」(2001)があり、造形の中心に配された何も展示できない「ヴォイド(空虚)」など、均質的な秩序から来館者を「ずらす」ことで歴史の裂け目を体感させる。2003年には、米ニューヨーク同時多発テロ跡地の再開発コンペでマスタープランを勝ち取り、タワーの跡地を「聖なる空虚」として保存。過去の重みを引き受けながら「建築は沈黙が支配する場所で語らねばならない」と説いている。

「ベルリン・ユダヤ博物館」(2001)ドイツ Photo: Roland Horn © The Japan Art Association
「連邦軍軍事史博物館」(2011)ドイツ・ドレスデン Photo: Roland Horn © The Japan Art Association

音楽部門

 音楽部門を受賞したヘルベルト・ブロムシュテットはアメリカ出身。現代のクラシック音楽界において70年以上にわたって第一線で活躍し続けており、もっとも尊敬を集める指揮者のひとりだ。作曲家が譜面に書き込んだ意図を緻密に具現化し、重厚でありながら透明で引き締まった音を生み出す。

ヘルベルト・ブロムシュテット Photo: Paul Yates

 1954年にプロの指揮者としてデビュー後、北欧の名門オーケストラの指揮を歴任。75年からは当時の東ドイツの名門オーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデン(SSD)で首席指揮者を務め、国際的な名声を高める。以降、様々な場所で指揮や音楽監督を務め、米グラミー賞を複数受賞した。

 日本とも縁深く、1981年の初共演以来、NHK交響楽団とは45年にわたる信頼関係を築き、同楽団の「桂冠名誉指揮者」を務めている。2018年には外国人叙勲として「旭日中綬章」を受章した。

サンフランシスコ交響楽団のアジア演奏旅行にて 1992年
Music Director Herbert Blomstedt and the San Francisco Symphony in performance during the Asian Tour, 1992
Photo: Steve J. Sherman
Courtesy of San Francisco Symphony
NHK交響楽団 第2021回定期公演Cプログラムから 2024年10月
NHKホール
The NHK Symphony Orchestra, Subscription Concert No. 2021 (Program C) October, 2024
NHK Hall, Tokyo
©NHKSO