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李禹煥

Lee U-Fan

 1936年大韓民国慶尚南道出身。日本大学文理学部哲学科卒業。60年代後半から「もの派」の中心人物として活動。もの派が実践したのは、木や石といった自然素材と、紙や鉄材、ガラスなどの工業製品といった「もの」のあいだに自分の意思を介入させることで、素材同士の新たな関係性を提示するという試み。李は石やガラスなどによって作品を制作したほか、70年代初頭からは平面作品も制作し、「線より」「点より」のシリーズを発表。キャンバスの一部のみに筆の跡を残し、大きく余白を残すこれらのシリーズは、石やガラスを用いていたときと同じように、手を加えることを最小限に抑え、余白の広がりと空間の存在を感じさせるところに特徴がある。

 続く80年代には、よりダイナミックに空間を意識した「From Winds」「With Winds」といったシリーズを制作。美術批評も手がけ、『出会いを求めて―新しい芸術のはじまりに』(田畑書店、1971)など著作多数。2010年、香川県直島に建築家・安藤忠雄とコラボレーションした李禹煥美術館が開館した。主な展覧会に、「Lee Ufan」(ボン市立美術館、ドイツ2001)、「李禹煥 余白の芸術展」(横浜美術館、2005)、「Resonance」(第52回ヴェネチア・ビエンナーレ、2007)、「LEE UFAN」(ブリュッセル王立美術館、2008)など。