円山応挙の国宝《雪松図屏風》が公開。三井記念美術館で「国宝 雪松図と四季」が開催

東京・日本橋の三井記念美術館で、展覧会「国宝 雪松図と四季」が開催される。会期は12月12日〜2027年1月30日。

国宝 円山応挙《雪松図屏風(右隻)》(江戸時代、18世紀) 三井記念美術館

 東京・日本橋の三井記念美術館で、展覧会「国宝 雪松図と四季」が開催される。会期は12月12日〜2027年1月30日。  

 同館で年末年始の恒例となっている、国宝の円山応挙(1733〜95)《雪松図屏風》公開。本展では、この《雪松図屏風》をはじめ同館が所蔵する書画・工芸品を中心に、移りゆく四季や気象を表す技法、見立てなどに着目した展示が展開される。  

全5章で紐解く「四季」の表現

本展は全5章で構成される。「茶道具にみる四季」では、うつわに描かれた草花や焼き物の景色・かたちに季節を見出し、銘によって象徴させた茶道具が取り上げられる。《唐物丸壺茶入 銘淡雪》(12〜13世紀)や《瀬戸橋姫手水指 銘有明》(16〜17世紀)、応挙の下絵による蒔絵が施された《桜木地茶箱》(18世紀)などが並ぶ。 

《唐物丸壺茶入 銘淡雪》(南宋時代、12~13世紀) 三井記念美術館
《斗々屋茶碗 銘かすみ》(朝鮮時代、16世紀) 三井記念美術館
国宝 円山応挙《雪松図屏風(右隻)》(江戸時代、18世紀) 三井記念美術館
国宝 円山応挙《雪松図屏風(左隻)》(江戸時代、18世紀) 三井記念美術館
酒井抱一《秋草に兎図襖》(江戸時代、19世紀) 三井記念美術館

 「四季と気象を描く」では、画家や作品による気象表現の違いに焦点を当てる。国宝である応挙の《雪松図屏風》(18世紀)をはじめ、白い絵具の塗り重ねや銀砂子で応挙の《雪松図屏風》と対照的な表現を見せる山口素絢の《雪中松に鹿図屏風》(18〜19世紀)、木目を強風に見立てた酒井抱一の《秋草に兎図襖》(19世紀)、湿気を帯びた夏の夜を描いた川端玉章の「京都名所十二ヶ月」より《六月 四条納涼》(1898)などが紹介される。また、円山派のレパートリーを示す作品として「四季海辺図屏風」4点が初展示される。  

《伝小野道風 継色紙》(平安時代、10~11世紀) 三井記念美術館
《伝紀貫之 寸松庵色紙》(平安時代、11世紀) 三井記念美術館

 「四季を詠む」では、古来より人々に感興をもたらしてきた詩歌を収めた書を展示。古筆のなかでも「三色紙」として尊ばれる《伝小野道風 継色紙》(10〜11世紀)、《伝紀貫之 寸松庵色紙》(11世紀)、《伝藤原行成 升色紙》(11世紀)の3点が同館として約6年ぶりに同時公開されるほか、古典文学にゆかりの深い蒔絵調度も紹介される。  

水野年方「三井好 都のにしき」より《朝の雪》(1904) 三井記念美術館

 「四季と暮らし」では、明治の浮世絵師・水野年方による連作「三井好 都のにしき」から、雪景色のなかを出かける女性を描いた《朝の雪》(1904)などが展示される。本連作は、三井呉服店の商品広告も兼ねていたとされ、画中の女性の着用アイテムには当時の流行を見ることができる。

重要文化財《日月松鶴図屏風(右隻)》(室町時代、16世紀) 三井記念美術館
重要文化財《日月松鶴図屏風(左隻)》(室町時代、16世紀) 三井記念美術館

 「四季を束ねる」では、ひとつの画面や1組の作品に春夏秋冬をあしらった作品に着目する。春から秋、昼から夜へのときの流れを金地や金属板で収めた重要文化財《日月松鶴図屏風》(16世紀)のほか、大小の花々を描き込んだ川端玉章の《草花図額》(19〜20世紀)、中国絵画の図像を再構成した狩野栄信の《四季山水図》(19世紀)、異界としての「四方四季の庭」を描いた亀岡規礼の《酒呑童子絵巻》(19世紀)などが一堂に会する。

編集部