ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーとニューヨークのFLAGアートファンデーションが新設した賞「サーペンタイン× FLAGアートファンデーション賞」。その第1回受賞者に、詩人の吉増剛造が選出された。
同賞は、サーペンタインとFLAGアートファンデーションが締結した10年間にわたる長期パートナーシップの一環として設立されたもの。アーティストに対して新たな展開や挑戦のためのリソースを提供することを目的としている。今後10年間で計5名のアーティストを選出し、それぞれに20万ポンドの賞金が授与される。これは、単独のアーティストに贈られる現代美術賞としては英国内で最高額の賞金となる。
第1回の審査員を務めたのは、ミシェル・クオ(ニューヨーク近代美術館キュレーター)、ヴィーナス・ラウ(ジャカルタのミュージアムMACANディレクター)、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト(サーペンタイン・ギャラリーのアーティスティック・ディレクター)、ジョン・ライダー(FLAGアートファンデーションディレクター)、そしてリクリット・ティラヴァーニャ(アーティスト)の5名。

吉増剛造は1939年東京生まれ。1960年代より日本の前衛芸術シーンの中心で活動し、詩の枠組みを拡張し続けてきた。錫(すず)の板に言葉を刻む《錫の詩》や、小型カメラを用いた映像作品《gozo-ciné》、パフォーマンス作品などを発表し、詩、音、映像など多様な表現形式を越境しながら独自の実践を続けてきた。
サーペンタインCEOのベティーナ・コレックとアーティスティック・ディレクターのハンス・ウルリッヒ・オブリストは、今回の受賞について次のように語る。「日本でもっともラディカルな存命詩人のひとりである吉増は、60年以上に渡り言語、音、視覚芸術の境界を越境し続けてきました。そして87歳になったいまもなお、新たな領域へと突き進んでいます。この賞は、アーティストを世界中の観客と結びつけ、欧米間を越えた対話を育むという私たちの共通のコミットメントを反映したものであり、ロンドンとニューヨークの両都市で発表される新作を制作するための場と支援を提供するものです。彼の芸術活動を両都市で迎えられる日が待ちきれません」。
この受賞に伴い、吉増の大規模個展が、2027年秋にロンドンのサーペンタイン・ノースで開催される。その後、2028年春にはニューヨークのFLAGファンデーションへと巡回する予定だ。






















