日本現代詩をリードしつづける
吉増剛造の個展が開催。
ギタリスト・大友良英との
コラボレーションイベントも実施

「涯テノ詩聲(ハテノウタゴエ) 詩人 吉増剛造展」が東京・渋谷の渋谷区立松濤美術館で開催される。本展は、詩をはじめとする言葉の領域にとどまらず、写真や映像、造形など多岐にわたって活動してきた詩人・吉増剛造の半世紀以上におよぶ仕事を紹介するというもの。会期は8月11日〜9月24日。

吉増剛造 多重露光写真 1980-2000年代 作家蔵

 吉増剛造は1939年東京都生まれ。自身を詩人としながらも、その活動は言葉の領域にとどまらず、写真や映像、造形など多岐にわたっている。

 吉増の詩は、日本各地、世界各国を巡りながら、古今東西、有名無名の人々と交感を重ねていくなかで綴られるもの。つねに言葉の限界を押し広げてきた吉増の作品世界は、60年代から現在に至るまで日本の現代詩をリードしている。

 今回開催される「テノ詩聲ウタゴエ 詩人 吉増剛造展」は、「Ⅰ、詩集の彼方へ」「Ⅱ、写真を旅する」「Ⅲ、響かせる手」の3部構成。吉増の各時代の代表的な詩集を中心に、写真作品や関連作家の作品や資料などもあわせて展示されるという。

中西夏之 コンパクト・オブジェ 1962 ミクストメディア 足利市立美術館蔵(浅川コレクション)

 

 現代のみならず、古代の営みまで遡っていくなかで様々な対象をとらえ、かつてないビジョンを生み出し続ける吉増。そのまなざし、声、手は、鑑賞者を日常を超えた世界へ誘うだろう。なお、会期中にはギタリスト・大友良英とのコラボレーションイベントなども予定されている。あわせてチェックしたい。

吉増剛造 銅板打刻作品 1990〜2000年代 銅板打刻 作家蔵

編集部

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