日本勢は例年同様2名が選出されたが、いずれも大幅な順位アップとなった。森美術館館長の片岡真実は62位から33位へ、アート・ウィーク東京(AWT)共同創設者の蜷川敦子は85位から62位へと躍進した。
片岡については、森美術館での「マシン・ラブ」展や藤本壮介の回顧展に加え、サウジアラビアの光の祭典「ヌール・リヤド2025」のアーティスティックディレクションを手がけた点が高く評価された。2027年ヘルシンキ・ビエンナーレの共同キュレーター就任など、国際的活動の広がりも指摘されている。
蜷川は、アートフェアの代替モデルとして注目されるAWTの成功が評価された。昨年は5万人が参加し、東京のアートシーンのハブとして確固たる地位を築いた。自身のギャラリーTake Ninagawaでも大竹伸朗やテア・ジョルジャゼらの展覧会を手がけ、国際的な信頼を確かなものにしている。
『ArtReview』の「Power 100」は、世界各地の約30名の専門家によるパネルが、(1)過去12ヶ月の活動、(2)現在のアート動向への影響、(3)グローバルなインパクト、という基準で候補者を選出する。今年のランキングは、制度変革が進む世界のアート界において、アーティストの役割の変容と、アートが担うべき力の現在地を鋭く映し出す結果となった。



















