第35回世界文化賞にソフィ・カル、坂茂ら決まる【2/5ページ】

 絵画部門を受賞したソフィ・カルは1953年フランス・パリ生まれ。フランスを代表するコンセプチュアル・アーティストのひとりだ。他者へのインタビューを通して詩的な要素を含む話を探求し、写真と文字を組み合わせた作品を発表してきた。人生や日常の空間をアートに昇華させる斬新な作風は、世界中で注目され、2012年にはフランス芸術文化勲章コマンドールを受章した。

ソフィ・カル
©Yves Géant

 代表作のひとつ《ヴェネツィア組曲》(1980)は、パリの街中で出会った人をヴェネツィアまで尾行し、その行動を撮影したもの。1986年には目が見えない人々に「美しいと思うもの」を尋ねる《盲目の人々》を発表。また日本滞在の経験をもとに、失恋による痛みを写真や言葉で表現した《限局性激痛》(1999-2000)は、2019年に原美術館で展示されたことで記憶に新しい。25年には三菱一号館美術館で「再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」を開催予定だ。

ソフィ・カル どうしてあの子だけ? 2018
© Sophie Calle / Courtesy of Gallery Koyanagi
Photo: Keizo Kioku
ソフィ・カル《眺めのいい部屋》(2003年、ギャラリー小柳での展示風景
© Sophie Calle / Courtesy of Gallery Koyanagi

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