黒川紀章の「カプセルハウスK」が50年の時を経て一般公開へ。6月から民泊利用も予定

「中銀カプセルタワービル」で知られる黒川紀章が自身の別荘として設計し、50年にわたって非公開とされてきた長野県の「カプセルハウスK」が、修繕を経て5月に一般公開。現在は保存のためのクラウドファンディングも行われている。

「カプセルハウスK」の外観 写真=山田新治郎

 「中銀カプセルタワービル」などで知られる建築家・黒川紀章が自身の別荘として長野県北佐久郡に建て、50年にわたって非公開とされてきた「カプセルハウスK」が、5月に一般公開される。

 「カプセルハウスK」は、「中銀カプセルタワービル」と同じBC-25型のカプセルを住宅の諸室として用いた建物。急斜面に立ち、玄関やリビングのある中央部の周囲には、2つの寝室、茶室、厨房の4つのカプセルが取り付けられている。

 公開にあたっては、工学院大学建築学部の鈴木敏彦研究室が、黒川の長男・黒川未来夫が代表を務めるMIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIOと共同で進める「カプセル建築プロジェクト」の一環として、修繕・管理を実施。6月からは民泊を含めた事業の開始も予定している。

 現在は、建物内部の設備の新調などのためのクラウドファンディングを実施中(5月23日まで)。将来のカプセル交換も含め、建物を長く後世に残すことが目的だ。リターンには、大阪万博に際して出版された『黒川紀章の作品』(美術出版社、1970)などの貴重な書籍も用意されている。

 なお一般向けの見学・宿泊については、随時ウェブサイトで情報を公開予定。数少ない貴重なメタボリズム建築を体験する機会を、逃さずチェックしてほしい。

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