愛知県による若手作家支援。1億円の特別予算で作品購入、第1弾を愛知県美術館で公開へ

愛知県は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって作品発表の場が減っているアーティストを支援するため、今年度から3年間にわたり1億円の予算で若手作家の現代美術作品を愛知県美術館コレクションとして重点的に購入。その第1弾が、9月19日より愛知県美術館で公開される。

今村文 無題 2016

 今年6月、愛知県の大村秀章知事は、新型コロナウイルスで影響を受けている若手作家を支援するため、今年度から3年間にわたり美術品等取得基金に1億円の購入枠を設け、若手作家の現代美術作品を重点的に購入するという前例のない施策を打ち出した。この結果の一部が、9月19日より愛知県美術館で公開される。

 愛知県はこの支援事業の1年目である今年度において、6000万円を活用して約30名から作品を購入予定。その第1弾として、若手作家15人の41作品を購入した。

 収蔵作家には飯山由貴、今村文、加藤翼、近藤亜樹、水戸部七絵、百瀬文、山下拓也、横山奈美らが含まれており、平均年齢は34.7歳。男性6人:女性9人という比率で、その多くが愛知県になんらかの縁を持つ。購入に当たっては、愛知県美の収集委員会の意見を取り入れた。19日から同館で行われるコレクション展では、41点のうち35点が公開されることとなる。

山下拓也 TALIONの子(TALION GALLERYの壁を使って蘭陵王の彫刻を制作する。) 2014-15

 愛知県美術館の通常の作品購入枠は3年間で9000万円とされているが、この取り組みはそれとは異なるもの。新型コロナウイルス関連の文化支援策として、直接的に作品購入を行う例は非常に珍しい。

 大村知事は31日の記者会見で、「ぜひ若手作家の魅力あふれる作品をご覧いただき、現代美術を楽しんでほしい」とコメント。第2弾の購入については、年内の購入を目指すとしており、来年以降も作品購入を続け、若手作家支援を継続的に行いつつ、所蔵品の充実を図りたいとしている。

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