文化庁は、宮田亮平長官の名義で「文化芸術に関わる全ての皆様へ」と題したメッセージを公開した。
このなかで、宮田長官はイベント開催を見送った事業者などに対し感謝の意を表明。イベント中止という選択について、「芸術家としても生きてきた私の人生を振り返っても、過去に幾度となく、災害などで文化芸術活動の継続が困難となる事態に遭遇しました」としつつ、「困難に直面した人々にやすらぎと勇気を与え、明日への希望を与えてくれたのもまた、文化芸術活動でした。この困難な時こそ、日本が活力を取り戻すために、文化芸術が必要だと信じています。日本の文化芸術の灯を消してはなりません」としている。
しかしながら、具体的な補償についての言及はなく、「私が先頭に立って、これまで以上に文化芸術への支援を行っていきたい」と述べるにとどまっている。
美術館・博物館などの休館は2月末から継続しており、美術のみならず演劇・舞台や音楽など様々な分野において、その活動が大幅に縮小するなか、メッセージを表明したこと自体は評価できる。しかし、先進国ではすでに具体的な補償などを発表しており、文化庁のスピード感については疑問も残る。