2019.10.27

若手アーティストを支えるアートホテル。「河岸ホテル(KAGANHOTEL)」が京都にオープン

「若手アーティストが住みながら制作活動を行う」というコンセプトをもとに、京都に新しいアートホテル「河岸ホテル(KAGANHOTEL)」が11月に開業する。入居するアーティストは、シェアスタジオ・工房を24時間利用できるほか、ホテルで短期スタッフとして働きながら、国内外のアートファンたちと交流することもできる。

 

河岸ホテルの外観イメージ
前へ
次へ

 アーティストが部屋のデザインを手掛けた「BnA Alter Museum」、「アート&カルチャー」と「アートコレクターの住まい」をコンセプトに掲げる「HOTEL ANTEROOM KYOTO」と「node hotel」など、アートをテーマにしたホテルが続々とオープンする京都。ここに11月、若手現代アーティストと世界をつなぐ新たなホテルが登場する。

  京都中央卸売市場付近にある元社員寮兼倉庫をリノベーションした「河岸ホテル(KAGANHOTEL)」は、アーティストのスタジオやギャラリー、ホテル、飲食店が併設する滞在型複合施設。若手アーティストは生活を送りながら制作活動を行うことができる。運営は、扇沢友樹と日下部淑世が2011年4月に京都を拠点に創業した株式会社めい。

 ホテルの地下1階には、24時間利用可能なシェアスタジオ・工房を完備。防音性と天井高が特徴的なこの制作スペースには、換気設備や地上への作品の輸送設備も設けられている。

1階のイメージ

 1階のスペースは、飲食店、ギャラリー、イベント会場として機能する。アーティストは、ホテルや飲食店で短期スタッフとして生活費を稼ぎながら、国内外から集まるアートファンやコレクターとコミュニケーションすることも可能だ。

 2階のギャラリーホステルでは、低価格で宿泊できるいっぽう、ギャラリーの利用やワンフロアの貸し切りも可能。3階のアーティストレジデンスは、20〜30代のアーティストが切磋琢磨できる居住スペースになる。

2階のギャラリーホステル 撮影=木村華子
5階の客室  撮影=木村華子

 4階と5階のホテルでは、一般の人々がアーティストのアトリエ付き住居を体験できる。また、最上階の5つの客室は、入居アーティストの作品を泊まりながら鑑賞できる体験型のアートホテルだ。

 なおレジデンスの入居アーティストは、椿昇、中村政人、矢津吉隆などの美術家や大学教授によって選出。第1期の入居者は、三保谷将史、新宅加奈子、國廣沙織、キース・スペンサー、佐藤元紀となっている。なお、このレジデンスについては、現在も入居を希望するアーティストが募集されている。