韓国チェジュ島に新たな交流拠点が誕生。「D&DEPARTMENT JEJU by ARARIO」が2020年春にオープン

レストランやギャラリーショップに体験型宿泊施設を併設した「D&DEPARTMENT JEJU by ARARIO」が、2020年春、韓国チェジュ島にオープンする。地域の魅力を再発見するストアスタイルの活動体「D&DEPARTMENT」と、美術館や百貨店などを経営する韓国の生活文化創造企業「ARARIO Co., Ltd.」が共同に開発するこのプロジェクトとは?

 

「D&DEPARTMENT JEJU by ARARIO」の建物外観着工前

 「ロングライフデザイン(長く続くその土地らしいデザイン)」をテーマに、地域の伝統、工芸、観光を紹介するストアスタイルの活動体「D&DEPARTMENT」。その世界初となる体験型宿泊施設を併設した「D&DEPARTMENT JEJU by ARARIO」が、2020年春、韓国チェジュ島にオープンする。

 デザイナーのナガオカケンメイが2000年に創設したD&DEPARTMENTは、現在東京、北海道、富山、韓国ソウル、中国黄山など国内外10ヶ所で展開。09年に観光ガイドブック『d design travel』を創刊し、12年に日本47都道府県の魅力を見せる物産ミュージアム「d47 MUSEUM」をオープン。物販、飲食、出版、観光を通し、地域の魅力を再発見する活動を行っている。

エリア開 発のイメージスケッチ ©Jo Nagasaka/Schemata Architects

 このプロジェクトは、韓国・天安に本社を置く、美術館や百貨店、バスターミナルなどを経営する生活文化創造企業「ARARIO Co., Ltd.」と共同に開発するもの。チェジュ島の東側の旧済州(クチェジュ)エリアに位置する3階建ての施設には、チェジュ島の食文化や郷土料理を紹介する「d食堂」や、ロングライフデザインの生活用品や地域の特産品を販売する「D&DEPARTMENT」、中長期滞在向けの宿泊付店舗「d news」、ゲストルーム「d room」によって構成。建築のリノベーションは、スキーマ建築計画の代表である長坂常が担当する。

3階の「d room」のイメージ

 D&DEPARTMENTは創設当初、ホテルを目標としていたという。その創設から20年越しに実現するゲストルーム「d room」では、全13室の部屋のインテリアは、すべてロングライフデザインの定番商品や中古家具で構成。加えて、部屋内にある地元のアーティストの絵画や写真、部屋着、カップなどもすべて購入できる。

2階の「D&DEPARTMENT」のイメージ

 また、キッチン付きのギャラリーショップに宿泊施設を併設した「d news」では、D&DEPARTMENTの売り場のなかに滞在しながら制作を行い、その成果を発表して販売することができる。チェジュ名物を使って期間限定のカレーショップをオープンするシェフや、一晩限りのライブや上映会を行う音楽家や映画監督、チェジュ島の溶岩石を利用して作品を発表する陶芸家や彫刻家など、様々なクリエイターやアーティストは新たな制作にチャレンジできる。

 人々の交流と賑わいが街に染み出し、新しい交流拠点となることを目指すこのプロジェクトでは、どのような活動や創造が生まれていくか、期待したい。

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