街の日常へと広がる森山大道の写真
旧本多邸から街へと足を延ばすと、芸術祭の作品は日常の風景のなかにも現れる。逗子在住の写真家・森山大道の作品は、JR逗子駅前の工事壁や逗子市立図書館のガラス壁など、複数の場所で展示されている。

逗子市立図書館の外壁には、代表作《三沢の犬》(1971)をはじめ、動物や植物を捉えたモノクロ写真が並ぶ。犬や猫、花々といった被写体の写真は、図書館のガラス面を横断するように配置されており、建物の前を通る人々の視界に入ってくる。

また、駅前の工事壁では《Nへの手紙》(2021)などの作品を紹介。都市の路上で出会った人々や動物、光と影の断片を撮り続けてきた森山の写真が、今回、同じく人々が行き交う街の路上へと持ち出されている。

森山の写真をめぐる展示は、zushi art galleryでも開催されている。森山の作品に加え、「私のはじまりの一枚/私と森山大道」をテーマとした写真家たちの作品が紹介されている。

安藤智仁、生越文明、鴫原薫、中藤毅彦、西村陽一郎、元田敬三、森山遊子らが参加するこの展示では、それぞれの写真家の制作の原点や、森山との関係に目を向ける。会場では、写真作品とともに関連する書籍や資料も展示されており、「はじまり」という芸術祭のテーマを、写真の歴史や個々の作家の歩みからたどる構成となっている。



















