山梨・北杜市の清春芸術村で、建築家・伊東豊雄の企画展「桜の下で―自然と建築―」が開催される。会期は2026年8月1日〜10月11日、会場は清春白樺美術館の第二展示室。
「居場所」としての役割担う
本展は、伊東が清春芸術村のために設計した屋外建築作品「こどもの遊び場」の完成を記念するもの。会場では、同作の初期ドローイングをはじめ、伊東の代表作である《せんだいメディアテーク》(2001)と《台中国家歌劇院》(2016)の模型などが展示。子供のための建築と、伊東が建築を構想するうえで重視してきた「内なる自然(Inner Landscape)」という考え方を紹介する。

「こどもの遊び場」がつくられるのは、安藤忠雄設計の「光の美術館」と藤森照信による茶室「徹」を結ぶ屋外空間。緩やかな起伏を持つマウンドとくぼみからなり、子供たちが登ったり、降りたり、集まったりしながら、身体を通じて空間を体験できる場として構想された。たんに鑑賞するための建築ではなく、遊具であると同時に、人々が自由に時間を過ごす「居場所」としての役割を担う。清春芸術村に群生する樹齢100年を超える桜と芝生広場の風景に溶け込み、世代を超えて親しまれる新たな象徴を目指すという。
伊東は同作について、ステートメントのなかで「かつて人々が満開の桜の下に幕を巡らせ、宴を開いていた光景が、自身の建築を考える原点のひとつだ」と説明。桜の近くにつくられるマウンドやくぼみは、花見の場所になるだけでなく、子供たちが走り、歌い、語り合い、食事をする場にもなる。
清春芸術村ではこれまでにも、子供たちが建築を「見る」だけでなく、「遊び」や身体的な経験を通じて接するためのプロジェクトを展開してきた。伊東自身も、NPO法人「これからの建築を考える」が運営する「子ども建築塾」などを通じ、子供たちが建築や街について考える機会をつくっている。今回の新作は、両者のこうした活動が重なるものとなる。
なお、「こどもの遊び場」の一般公開と利用開始は9月初旬を予定。8月1日から公開までの期間は、工事中の外観を現地で見学することができる。






















