横浜市歴史博物館で企画展「横浜絵の深層-ジャンルか、イメージか、それとも輸出美術か」が開催へ【2/2ページ】

画家・笠木治郎吉の画業にも注目

 本展の見どころは大きく3つに集約される。1つ目は「横浜絵とはなにか」を出発点に、初代五姓田芳柳をはじめとする五姓田派の面々、そして芳柳の息子である義松の活動を作品とともに紐解く点だ。

五姓田派《「仇討ち図」碁太平記白石噺より》(明治時代初期頃)麻布に着色 星野画廊

 2つ目として、時代の移ろいとともに変化を遂げた「横浜絵」の様相を捉える。肖像画や風俗画に加え、明治20年代中頃からは、国内での水彩画ブームや来日外国人の増加を背景に、日本の風景・風俗を情緒的に描いた水彩画が「横浜絵」の主力へとなっていった。ここではそれらを象徴する作品のほか、「横浜絵」に関わった幻の画家・笠木治郎吉の初出品作品も多数並ぶ。

笠木治郎吉《子守をする姉弟》(明治時代後期)紙に水彩 かさぎ画廊(横浜市歴史博物館寄託)
作者不詳(Y. Ito)《紅葉の渓谷》(明治時代後期)紙に水彩 星野画廊

 3つ目は、より広い意味での「横浜絵」の潮流として、外国人好みの日本画や輸出用工芸品の下絵などにみられる表現の広がりを紹介する。

 なお、会期中には関連イベントとして学芸員による特別講座やギャラリートークも実施される予定だ。

初代宮川香山《高浮彫長命茸採取花瓶》(明治時代前期) 田邊哲人コレクション(神奈川県立歴史博物館寄託)
渡辺幽香《長命茸採取 下絵》(1887頃)紙に鉛筆 神奈川県立歴史博物館

編集部

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