横幅26.4メートルに及ぶ巨大スクリーンを用いた単独展示
本作は、坂本龍一が2017年に発表したアルバム『async』をベースに、高谷史郎による映像と、坂本の晩年の作品を数多く手がけた音響エンジニア・ZAKによる立体音響で構成された作品だ。「設置音楽(Installed Music)」という坂本が晩年に追求した、「音を空間に立体的に配置する」という構想を体現する作品として位置づけられている。
映像を手がけた高谷は、『async』が持つ「非同期」というコンセプトを映像表現にも反映。音と映像は互いに呼応しながらも完全には一致せず、絶えず関係性を変化させ続ける。その揺らぎのなかで、観客は音響、映像、空間、自らの身体感覚が溶け合うような没入体験へと導かれる。
会場となる麻布台ヒルズギャラリーでは、横幅26.4メートルに及ぶ巨大スクリーンを用いた単独展示を実施。ZAKが会場空間に合わせて音響を再構築し、2023年の京都開催と同等のスケールで作品を体験できる機会となる。京都での展示以降、この規模で《async - immersion》が公開されるのは初めてとなる。
坂本龍一が構想した「音を設置する」という思想と、高谷史郎による映像表現、そして立体音響が融合した本作は、アンビエントという概念を「聴く音楽」から「身体で経験する空間」へと拡張する試みでもある。京都から東京へと舞台を移す「AMBIENT KYOTO」は、その思想をより大規模な展示空間で体感できる貴重な機会となりそうだ。
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