空港で坂本龍一の音色と出会う。関西国際空港で「KAGAMI+」連動展示が実施中

関西国際空港で、故・坂本龍一が遺したMR作品「KAGAMI+」と連動した特別展示が始まった。自動演奏ピアノによって坂本の演奏を再現するインスタレーションを通じて、空港という公共空間で新たな文化体験を創出する。展示は9月30日まで。

関西国際空港での展示風景

 関西国際空港で、坂本龍一(1952〜2023)の複合現実(MR)作品《KAGAMI》と連動した特別展示がスタートした。関西国際空港の運営会社である関西エアポートが展開する文化発信プロジェクト「KIX CULTURE GATE Project」の一環として実施されるもので、第1ターミナルビル1階のパブリックエリアにインスタレーションが設置されている。展示期間は9月30日までを予定している。

 《KAGAMI》は、坂本龍一とトッド・エカート率いるティン・ドラムが、坂本の晩年4年間をかけて制作したMR作品。鑑賞者は透過型ヘッドセットを装着し、三次元映像技術によって精緻に再現された坂本の演奏を、現実のコンサートでは実現し得ないほど間近な距離で体験することができる。映像や立体音響に加え、坂本自身が調香した香りも空間を満たし、視覚・聴覚・嗅覚を横断する没入体験を生み出している。なお、大阪・グラングリーン大阪内の文化施設「VS.」でも現在、同作を日本初展示する「RYUICHI SAKAMOTO & TIN DRUM KAGAMI+」(〜10月12日)が開催中だ。

 今回の展示は同展との連動企画として、《KAGAMI》の世界観を紹介するLEDモニターに加え、自動演奏ピアノによる特別プログラムを展開。坂本が生前に残した演奏データをもとにグランドピアノが演奏を再現し、空港を訪れる人々にその音色を届ける。

 演奏される楽曲は、「Aqua」「energy flow」「put your hands up」「鉄道員」「Merry Christmas Mr. Lawrence」の5曲。映画音楽やソロ作品を代表する楽曲が、旅立ちや到着の場となる空港空間に静かな響きをもたらすことだろう。

 関西国際空港では、この展示を通じて「KIX CULTURE GATE Project」が掲げる「空港を文化のゲートウェイへ」というコンセプトを体現するという。国内外から多くの人が行き交う公共空間を舞台に、たんなる移動の拠点ではなく、アートや音楽との出会いを提供する場として空港の新たな可能性を提示する試みとなる。

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