SOMPO美術館で「ウジェーヌ・ブーダン展─瞬間の美学、光の探求」が開催【2/3ページ】

 第3章「風景」では、当時の絵画界の主流になっていた、自然観察に基づいた風景画に着目する。当時ル・アーヴルで画材店を経営していたブーダンは、農民や荷車が行き交う田舎の道を画面の要とした構図や、蛇行する川、小さな港といった水辺の景色を対岸の建物や橋とともに描く構図をバルビゾン派から学んでいた。

ウジェーヌ・ブーダン 《トゥークの古い港》 1890 ブーローニュ=シュル=メール市立美術館 ©coll. Musée Boulogne-sur-Mer Ville de Boulogne-sur-Mer

 第4章「建築」では、生涯に渡り描き続けた、石造あるいは木造の建築を描いた作品が紹介される。ブルターニュでは教会の門や十字架を、オランダやヴェネチアではその土地の特徴的な建築を描いた。ブーダンは、建築という堅固な対象を描くことへの困難を自覚しつつも、晩年までそれを描き続けた。

ウジェーヌ・ブーダン 《廃墟のラッセイ城》 1893 ブーローニュ=シュル=メール市立美術館 ©coll. Musée Boulogne-sur-Mer Ville de Boulogne-sur-Mer

 第5章「動物」では、かつてブーダンが教えを受けたコンスタン・トロワイヨンによる動物画を、画商デュラン=リュエルの要請を受けて、自分流に描き直した作品が紹介される。約10年にわたってブーダンは牧草地の牛の群れを数多く描いたが、その表現は師とは異なり、抽象表現に近いものとなっている。

ウジェーヌ・ブーダン 《水飲み場の牛の群れ》 1880 ランス美術館 C. DEVLEESCHAUWER©

編集部

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