大田区立龍子記念館で、日本画家・川端龍子(1885〜1966)の作品と、日本を代表するアートコレクターで精神科医の高橋龍太郎のコレクションを融合させた企画展「ファンタジーの力」が開催される。会期は12月7日〜2025年3月2日まで。
本展は、2021年に開催され好評を博した「川端龍子vs.高橋龍太郎コレクション」の続編となる。高橋は1990年代半ばから現代アートの収集を開始し、現在では約3500点のコレクションを誇る。そのコレクションはこれまで国内外の様々な展覧会で紹介され、今年は東京都現代美術館での大規模展「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」を通じて、コレクターとしての軌跡が大きな注目を集めている。
今回の展示では、「ファンタジー」をテーマに、高橋コレクションが所蔵する草間彌生や李禹煥、奈良美智、加藤泉、丸山直文、宮永愛子ら24名の現代アーティストの作品と、川端龍子の壮大な日本画が共演する。また、新たな試みとして、ブックディレクター・幅允孝が選書した本が各展示室に設置され、来場者がアートと読書を通じて想像力を膨らませることができる構成が取り入れられている。
また特別展示として、国の有形文化財に指定されている旧川端龍子邸のアトリエ「画室」でも行われる。このアトリエは1938年、川端自身の構想によって建てられたものであり、本展ではその歴史的空間に加藤泉、西村陽平、宮永愛子の作品を展示。また、選書された本を手に取りながら、特別な読書体験を楽しむことも可能だ。