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丸山直文

Naofumi Maruyama

 丸山直文は1964年新潟県⽣まれ。文化服装学院、セツ・モードセミナーで学び、Bゼミスクーリングシステムを修了。90年代の活動初期には、細胞を拡大したような有機的な形態を大画面に描く抽象画を発表し、新世代を担うペインターとして注目される。その後、人や風景などをモチーフとした作品も制作。下地材を施していないキャンバスに水をふんだんに引き、絵具をにじませていくステイニングの技法を用いて描かれる絵画は、色面と線の境界が溶け合い、場所も時間も曖昧ながら郷愁を感じさせる。にじみがもたらす偶然性が自由であり、作者の意図しない不自由でもあるように、硬さ・柔らかさや自然・人工、主観・客観といった、相反する2つの要素を画面に共存させることで、ものの見方や絵画が持つ可能性を探求している。また近年では、グレーを基調としたシリーズにも取り組む。主な個展に、「水を蹴る」(シュウゴアーツ、東京、2022)、「ラスコーと天気」(シュウゴアーツ、東京、2018)、「流」(ウソンギャラリー、韓国、2017)、「夜みる夢を構築できるか」(シュウゴアーツ、東京、2013)、「丸山直文–後ろの正面」(目黒区美術館、2008)などがある。