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宮永愛子

Aiko Miyanaga

 宮永愛子は1974年京都府生まれ。99年京都造形術大学美術学部彫刻コース卒業、2008年東京藝術大学大学院修了。ナフタリンの昇華・結晶化する特性を生かしたオブジェや、塩、陶器の貫入音や葉脈を使ったインスタレーションなど、気配の痕跡を用いて時間を視覚化し、「変わりながらも存在し続ける世界」を表現している。代表シリーズに、ナフタリンや樹脂でかたどったトランクを実物とともに配した、旅と時間がテーマのインスタレーション作品「手紙」(2013)や、作家の日々の景色を描き、無数の気泡を含ませた絵画を浮かべた「life」(2018)。19年の個展「宮永愛子:漕法」(高松市美術館)では、開催地の香川県にちなみ、澄んだ音色を奏でる石「サヌカイト」を素材としたインスタレーションで、瀬戸内の景色や人々が積み重ねる時間を表現した。そのほかの主な個展に、「life」(ミヅマアートギャラリー、東京、2018)、「Strata: Origins」(White Rainbow、ロンドン、2014)、「宮永愛子: なかそら -空中空-」(国立国際美術館、大阪、2012)など。「日産アートアワード」初代グランプリ(2013)、五島記念文化賞美術新人賞(2011)、第3回shiseido art egg賞(2009)を受賞。