美術とパフォーマンスの交錯。「笹本晃 ラボラトリー」展が2025年夏に東京都現代美術館で開催へ

2025年8月、東京都現代美術館で「笹本晃 ラボラトリー」展が開催される。多彩な表現で国際的に評価を受ける笹本の20年にわたる創作活動を動的に検証する。

笹本晃 Point Reflection(ヴィデオ) 2023よりスチル © Aki Sasamoto. Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo

 東京都現代美術館で、「笹本晃 ラボラトリー」展が2025年8月23日〜11月24日の会期で開催される。

 本展は、ニューヨークを拠点に活躍するアーティスト、笹本晃にとって初のミッドキャリア回顧展であり、20年以上にわたるその創作活動を動的に検証するものだ。彫刻や装置を用いたインスタレーション空間を設計し、即興的なパフォーマンスを展開する笹本は、美術とパフォーミング・アーツの領域を横断する独自の表現で注目を集めてきた。

 笹本の作品は、私小説的な語りをユーモアを交えて取り入れる初期の代表作から、キネティックな要素を強調した近年の作品に至るまで、造形とパフォーマンスの関係を探求している。今回の展覧会では、音楽家や振付家、科学者、研究者とのコラボレーションで培われた多様な実践を通じて、アーティスト、彫刻家、演出家といった複数の役割を融合させる笹本の活動が紹介される。

 1980年神奈川県生まれの笹本は、10代で渡英し、その後アメリカに移住。ウェズリアン大学でダンスと美術を学び、2007年にはコロンビア大学大学院で芸術学修士号を取得した。現在はイェール大学芸術大学院彫刻専攻の専攻長を務めている。主な個展には、スカルプチャー・センター(ニューヨーク、2016年)、クイーンズ美術館(ニューヨーク、2023〜24年)、パラサイト(香港、2024年)などがある。また、横浜トリエンナーレ、ホイットニー・ビエンナーレ、ヴェネチア・ビエンナーレをはじめとする数々の国際展に出品し、2023年には革新的な彫刻作家に贈られるカルダー賞を受賞した。

 今回の個展は、笹本のアートの世界をより多くの人々に伝える貴重な機会であり、美術とパフォーマンスの交差点に立つその活動が改めて評価される展覧会となるだろう。

編集部

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