「ひろしま国際建築祭2025」が初開催へ。建築切り口に瀬戸内エリアでさらなる集客目指す【2/2ページ】

 総合テーマは「つなぐ──「建築」で感じる、わたしたちの“新しい未来”」。メイン展示となるのは、尾道市立美術館(設計:安藤忠雄)での建築展だ。「ナイン・ヴィジョンズ:日本から世界へ跳躍する9人の建築家」と題されたこの展覧会は、建築界のノーベル賞と称される「プリツカー賞」を受賞した日本人建築家8組(9名)にフォーカスするもの。丹下健三(1987年受賞)、槇文彦(1993年受賞)、安藤忠雄(1995年受賞)、妹島和世・西沢立衛(2010年受賞)、伊東豊雄(2013年受賞)、坂茂(2014年受賞)、磯崎新(2019年受賞)、山本理顕(2024年受賞)らの仕事を通じ、なぜ日本の建築家は世界で評価され、どのようにして世界レベルに達したのかを提示するという。これまでありそうでなかった展覧会だ。

台中国家歌劇院
©︎伊東豊雄建築設計事務所

 また神勝寺 禅と庭のミュージアム(無明院)では、神原・ツネイシ文化財団が取り組む、建築家・丹下健三が東京・成城に設計した自邸(1953年竣工。現存せず)を広島県・福山市の海辺に再建するプロジェクトに関する展示も行われる。

神勝寺 禅と庭のミュージアム(無明院)
写真提供=神原・ツネイシ文化財団
住居(丹下健三自邸) 「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」(森美術館、2018)展示風景より
撮影=来田猛 写真提供=森美術館

 そのほか、テーマに沿った独自の展示や、おりづるタワー(広島市)やA&Aプロジェクト(岡山市)などサテライト会場での展示、普段は見ることができない文化財指定を含む様々な建築の一般公開、シンポジウム、トークイベント、ラーニングプログラムなどが予定されている。

 2025年、西日本エリアは大阪関西万博をはじめ、「Study:大阪関西国際芸術祭2025」(4月〜10月)、「瀬戸内国際芸術祭2025」(4月18日~11月9日)、国際芸術祭「あいち2025」(9月13日~11月30日)、「岡山芸術交流2025」(9月26日~11月24日)など大型イベントが目白押しとなる。このなかでひろしま国際建築祭がいかに存在感を示すことができるだろうか。

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束芋 そのあと

2024.10.04 - 11.15
ギャラリー小柳
丸の内 - 銀座|東京