20世紀最大の芸術運動とも言える「シュルレアリスム」の誕生から100年を記念した企画「シュルレアリスム100年映画祭」が、10月5日より渋谷・ユーロスペースほか全国で順次開催される。
シュルレアリスムとは、フランスの詩人アンドレ・ブルトンが、『シュルレアリスム宣言/溶ける魚』(1924)において、理性や道徳による統制を外れた思考の書きとりの実践と定義した芸術運動だ。戦間期に生まれたシュルレアリスム運動は拡大していき、1930年代には黄金期を迎えるが、第二次世界大戦の勃発によりシュルレアリストたちの多くは亡命を余儀なくされる。その結果、この芸術運動は世界中に広がり、各地で独自の発展を見せ、戦後の芸術、文化にも強い影響を及ぼすこととなった。日本も例外ではなくその影響が見られ、100年経った現在においてもシュルレアリスムの精神は文学、美術、思想など広範な領域にわたって残っている。
関連する主な文化人には、アンドレ・ブルトン、ルイ・アラゴン、ポール・エリュアール、フィリップ・スーポー、バンジャマン・ペレなどの文学者から、マックス・エルンスト、マン・レイ、サルバドール・ダリ、ルネ・マグリット、ジョアン・ミロ、トワイヤン、レオノーラ・キャリントン、ルイス・ブニュエルなどの芸術家がいる。また、ジョルジョ・デ・キリコ、マルセル・デュシャン、パブロ・ピカソ、フリーダ・カーロなども深いつながりがあった。
この企画では、プログラムA 『金で買える夢』/プログラムB 『皆殺しの天使』/プログラムC ダダからシュルレアリスムへ 『幕間』『貝殻と僧侶』/プログラムD アンドレ・ブルトン ドキュメンタリー集 『アンドレ・ブルトン あらゆるものにもかかわらず』『野性の目』『2003年3月31日、オテル・ドルーオ』/プログラムE 『マックス・エルンスト 放浪と衝動』/プログラムF 『謎の巨匠 ルネ・マグリット』/プログラムG 『トワイヤン 真実の根源』といった7つのプログラムから作品が上映される予定だ。詳細は公式ウェブサイトをチェックしてほしい。