最高の“映画ファン”和田誠の映画愛に注目。企画展「和田誠 映画の仕事」が国立映画アーカイブで開催へ

日本を代表するグラフィックデザイナー、イラストレーターの和田誠。その映画に関する活動にフォーカスする企画展「和田誠 映画の仕事」が国立映画アーカイブで開催される。会期は12月12日~2024年3月24日。

展覧会「和田誠 映画の仕事」チラシ

 日本を代表するグラフィックデザイナー、イラストレーターの和田誠(1936~2019)。約60年にわたる和田の制作活動から、映画の仕事にフォーカスする企画展「和田誠 映画の仕事」が東京・京橋の国立映画アーカイブで開催される。会期は12月12日~2024年3月24日。

 少年期から映画を愛し、本職の傍ら映画ポスターやアニメーション映画制作に、励んでいたという和田。やがてその味わいある画風は広く支持され、世界の映画人を描いた無数のイラストレーションや、映画をめぐる著書や対談集を続々と送り出していくこととなった。その情熱は日本映画界を動かし、監督修業の経験なしに『麻雀放浪記』(1984)をはじめ、4本の優れた長篇娯楽映画の監督も担当。さらに私生活においても、アメリカ映画のフィルムやポスターのコレクションに情熱を注いでいたという。

和田誠 「国立近代美術館『アメリカ映画史講座 チャップリンの歩み』」ポスター 1959 国立映画アーカイブ所蔵
和田誠 『お楽しみはこれからだ (Part1) 』 1975 国立映画アーカイブ所蔵

 本展は、自身をあくまで「映画ファン」と称していた和田の映画に関する活動を「知った・描いた・語った・集めた・撮った」という5つの切り口を通じて振り返るものとなる。和田が手がけた映画ポスターや装丁を担当した映画書の数々が勢揃いするほか、『麻雀放浪記』『快盗ルビイ』『怖がる人々』『真夜中まで』を製作した監督としての和田にも焦点が当てられる。

 ほかにも、同館が寄託を受けた和田によるアメリカ映画のポスターやフィルムのコレクションや、監督作品の音楽・主題歌、そして和田が生涯愛したアメリカ映画の名曲の数々を聴ける音楽展示コーナーも設置される予定となっている。

和田誠監督 『麻雀放浪記』 1984 絵コンテ[複製] 個人蔵 (澤井信一郎氏旧蔵)

編集部

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