ピアノコンサートを舞台に、次々と巻き起こる人間模様をユーモラスに描いたバレエ演目『コンサート』。ジェローム・ロビンスによって振り付けられた本作を贈るのは、日本で唯一上演を許された「スターダンサーズ・バレエ団」だ。上演は5月13日、14日の2日間限定となる。
ロビンスは、「ウェスト・サイド・ストーリー」をはじめとする数々のブロードウェイ・ミュージカルのヒット作を生み出してきた天才振付家。本作は、穏やかな音色が心地よいピアノコンサートを舞台に、無遠慮に音を立てる人や、座席を間違える人、妻に無理やり連れてこられた夫など、どこかで見たことがあるような「人間あるある」を取り入れた、近代バレエの名作だ。
なかでも注目したいシーンは「Mistake Waltz(ミステイクワルツ)」。この「絶対に揃わないバレエ」は昨年秋の上演でも会場を笑い声に包み、大きな話題を呼んだ。これらは、「セリフのないバレエ」と「コメディ」を見事に融合させた「モダンで多弁なロビンス特有の振付け」と、それを再現する「ダンサーたちの脅威の身体能力と踊りの技術」によるものと言えるだろう。
今回はほかにも、20世紀を代表する珠玉の近代バレエ演目『スコッチ・シンフォニー』『牧神の午後』もあわせて上演。3演目で構成された特別公演「The Concert」にぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。