⼤巻伸嗣、東北地方初の個展。弘前れんが倉庫美術館で23年4月開幕へ

空間全体をダイナミックに変容させ、観る⼈を異世界に誘うような幻想的なインスタレーションやパブリック・アートを数多く⼿がけるアーティスト・⼤巻伸嗣。その東北地方初となる個展が、弘前れんが倉庫美術館で開催される。会期は2023年4月15日〜10月9日。

⼤巻伸嗣 Liminal Air Space-Time 2020 「存在のざわめき」関渡美術館(台湾/台北、2020)展示風景より Courtesy of Mind Set Art Center ※参考図版

 空間全体をダイナミックに変容させ、観る⼈を異世界に誘うような幻想的なインスタレーションやパブリック・アートで広く知られる⼤巻伸嗣。その東北地方初となる個展が、弘前れんが倉庫美術館で開催される。会期は2023年4月15日〜10月9日。

 大巻は1971年岐⾩県⽣まれ、神奈川県在住。「存在」とは何かをテーマに制作活動を展開し、環境や他者といった「外界」と、記憶や意識などの「内界」、その境界である「⾝体」の関係性を探り、三者の間で揺れ動く、曖昧でとらえどころのない「存在」に迫るための空間創出を試みるアーティストだ。

 日本のみならず、アジアやヨーロッパなど世界各地でその⼟地の⾵⼟や記憶を反映させた作品を発表している大巻。今回、⼤巻は展覧会に先駆け、⻘森県内各地の⾵物や⾃然、信仰のかたちなどを取材。⼈々の声に⽿を傾けるなかで、⼈や⾃然、物質世界や精神世界の⽣と死が円環を成すような死⽣観というテーマにたどり着いたという。

 本展では、⼀枚の薄い布が⼤きく波打つように有機的に動き、⼈々のなかに眠っている⾝体感覚を呼び覚ます近年の代表作のひとつ、「Liminal Air Space-Time」シリーズをはじめ、新作インスタレーションを中⼼に展示。弘前の⼟地と⼈々の記憶をとどめる弘前れんが倉庫美術館と⼤巻の紡ぐ再⽣と創造の物語はいかに重なり、広がりを見せるのか。注目の展覧会だ。

編集部

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