国内屈指の温泉地として知られている大分県別府市に、新しいアートホテル「GALLERIA MIDOBARU」(ガレリア御堂原)が12月18日に開業する。
同ホテルは、1900年に別府市内で「関屋旅館」を開業した株式会社関屋リゾートが別府で展開する3軒目の宿。「体験価値を高めるサイトスペシフィックなホテル」というコンセプトをもとに、土地の文化に関心があり、日常的に旅を楽しむ人に向け、特別な体験を提供する施設を目指している。
このホテル開業にあたって、別府を活動拠点にアートプロジェクトを手がけるNPO法人BEPPU PROJECTと、大阪を拠点に活動するクリエイティブチームgrafがタッグを組んでコンセプト立案などに携っており、ホテルの建築および空間デザインは、大分の建築設計事務所DABURA.m Incが手がけている。
別府の地質や断層をイメージしたホテル建築は、内と外の境界を感じさせない、ずれながら連なる壁とくり貫かれた開口が連なるのが特徴。地元の土地を想起させる壁面の質感や、路地の多い別府の町から着想を得た建築構造、そして天候や季節を直接的に感じる空間は、宿泊者に別府という土地を強く印象づけるいっぽうで、ロビーテラスからは別府湾を一望する景色を見渡すこともできる。
館内には、青木美歌、泉イネ、大巻伸嗣、オレクトロニカ、草本利枝、鈴木ヒラク、中山晃子、西野壮平、ネルホル、島袋道浩、目、勝正光などのアーティストが別府を題材にしたサイトスペシフィックなアート作品が設置。天然温泉半露天風呂付の客室全35部屋では、別府を一望しながら別府八湯のひとつである堀田温泉の湯を楽しむことができる。
建築空間、アート、温泉を楽しみながらゆっくり時間を過ごせる「GALLERIA MIDOBARU」。その開業を待ちたい。