東京・銀座のRICOH ART GALLERYが今年の12月をもって閉館することがわかった。活動の締めくくりとなる企画展「名和晃平個展 Focus」が、本ギャラリーにおける最後の展覧会となる。会期は12月13日~ 24日。
名和晃平は京都を中心に活動する彫刻家。感覚に接続するインターフェイスとして、彫刻の「表皮」に着目し、セル(細胞・粒))という概念を機軸として、2002年に情報化時代を象徴する「PixCell」を発表した。また、生命と宇宙、感性とテクノロジーの関係をテーマに、重力で描くペインティング「Direction」やシリコーンオイルが空間に降り注ぐ「Force」、液面に現れる泡とグリッドの「Biomatrix」、そして泡そのものが巨大なボリュームに成長する「Foam」など、彫刻の定義を柔軟に解釈し、鑑賞者に素材の物性が開かれてくるような知覚体験を生み出してきた。
同ギャラリーは、デジタルサービス、印刷および画像ソリューションなどを主力事業とするリコーグループによるもので、東京・銀座4丁目の交差点の「三愛ドリームセンター」内で活動を続けてきた。「アナログとデジタルの融合」をテーマに新たな価値を目指すというコンセプトのもと誕生したギャラリーで、これまで同社のプリント技術「StareReap」を様々なアーティストが駆使し、新作を発表してきた。
本展では、名和がたびたび制作のテーマとする「世界をかたちづくる不可視の力」をもとに、リコーの立体印刷技術「StareReap」をかけあわせることで作品を制作。星や大地などの「天体」をモチーフとした12点の新作立体作品が発表される。