名和晃平、松山智一らによる野外彫刻展も。明治神宮創建100年を記念する「神宮の杜芸術祝祭」が約1年にわたり開催へ

2020年、創建100年を迎える明治神宮。これを記念し、年間を通して明治神宮(内苑・外苑)で様々な展覧会やイベントを展開する「神宮の杜芸術祝祭」が行われる。会期は3月20日〜2021年3月31日。

名和晃平 White Deer (Oshika) 2017 Photo by Keiko Watanabe (Pontic Design Office) (C) Reborn-Art Festival 2017

 2020年に創建100年を迎える明治神宮。これを記念し、「日本博」の公式イベントとして「神宮の杜芸術祝祭」が開催される。会期は3月20日~2021年3月31日の約1年間。

 明治神宮を会場として開催される初の芸術文化事業となる同祭。内苑・外苑を舞台に、山口裕美をアーティスティックディレクターに迎えた展覧会や、被災地振興・地域創生のイベントを年間を通して実施する。

 まずオープニングとして、名和晃平、船井美佐、松山智一、三沢厚彦による野外彫刻展「天空海闊(てんくうかいかつ)」がスタートする(3月20日~12月13日)。都心において、70万平米という広大な外苑・内苑にあふれる自然は、100年前に人工的につくられたもの。当時の新林学や造園学などを取り入れながら、持続可能な自然と都市づくりを念頭に、日本全国から集まった若者たちの奉仕活動によって誕生した。

 今回の野外彫刻展では、この明治神宮の杜から作家たちがインスピレーションを受け、杜の木々と対峙するような作品を展開する。

三沢厚彦 Animal 2012-01 2012 撮影=三沢厚彦 (C) Atsuhiko Misawa, Courtesy of Nishimura Gallery

 なおこの野外彫刻展とあわせて、シンポジウム「百年の杜 そして芸術」や、岩手・宮城・福島の伝統芸能団体による演舞「東北伝統芸能公演~鎮魂と祈り~」などのプログラムも行われる。

船井美佐 森を覗く 山の穴 2013 六甲ミーツアート・六甲山ホテル蔵

 そして野外彫刻展に続くのは、ふたつの展覧会だ。明治神宮ミュージアムでは、約30名のアーティストが屏風、掛け軸、衝立、扇面といった日本古来の美術品の様式にあわせた作品を発表する「百年の杜のアート『紫幹翠葉(しかんすいよう)』」が開催される(6月12日~9月30日)。本展には薄久保香、川久保ジョイ、椿昇、天明屋尚、流麻二果、ひびのこづえ、森村泰昌らが参加予定。

 また宝物殿では、明治期の彫刻家・平櫛田中から名和晃平まで、日本における彫刻・立体の系譜をたどる「彫刻の系譜―平櫛田中から名和晃平まで『気韻生動(きいんせいどう)』」が開催(7月15日~10月11日)。国の重要文化財の指定を受けている展示ケースのなかに、平櫛田中賞受賞作家や平櫛田中の精神を受け継ぐ立体作品を展示し、素材・表現への新たな挑戦を展覧する。

 なお「神宮の杜芸術祝祭」では、声と映像によるインタラクティブなスマホガイドシステムや。MR(複合現実)グラス解説システム、Google Arts & Cultureでの情報発信など、最新技術を使った観光インバウンドにも対応。

 100年という節目を迎える明治神宮が持つ様々な要素にあらためて向き合う機会となりそうだ。

※2020年3月12日追記
新型コロナウイルス感染症拡大のリスクを考慮し、オープニング・フェスティバルのうち3月19日のシンポジウム「百年の杜そして芸術」、レセプション、3月20日から22日までの「東北郷土芸能奉納公演〜鎮魂と祈り〜」「SATOYAMA&SATOUMI movement x 東北郷土芸能 x みちのく潮風トレイル」は中止(一部時期を変更して開催することを検討)。なお野外彫刻展「天空海闊(てんくうかいかつ)」、東北被災地復興支援「サンクスフラワー・プロジェクト」展は予定通り開催される。

編集部

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