塩田千春の新作をオンラインで楽しむ。ベルリンでの個展「I HOPE...」がVRで公開

ベルリンを代表するケーニッヒ・ギャラリーが、塩田千春の新作個展「I HOPE...」をオンラインで公開。巨大インスタレーションをVRで楽しむことができる。

VRの展示風景より

 ベルリンを代表するギャラリー「ケーニッヒ・ギャラリー」が、塩田千春の新作個展「I HOPE...」を開催。現在、その様子をオンラインで見ることができる。

VRの展示風景より

 2019年、森美術館で130日間にわたって開催された「塩田千春展:魂がふるえる」によって66万6271人の入場者数(六本木ヒルズ展望台 東京シティビューとの共通チケット)を記録した塩田千春。その展示風景は多くの人の記憶に強く残っていることだろう。

 そんな塩田の新作《I HOPE...》は、糸と手紙、そして舟によって構成されたインスタレーションだ。

 巨大空間から垂れるのは、塩田を象徴する真っ赤な糸。この赤い糸には、世界中から送られた1万通もの手紙が吊り下げられた。赤い紙に印刷された手紙には様々な「希望」が書き留められているといい、新型コロナウイルスのパンデミックが続く世界において、希望を持つことの重要性を示す。

VRの展示風景より

 また手紙の下には森美術館での個展同様、フレームだけの抽象化された舟を設置。塩田は19年の個展の際、この「舟」というモチーフについて「孤独だが宇宙の中にいる。ある方向に向いて前に進んでいる(しかし振り向けば死が待っている)ということを示しています」と語っている。パンデミックに対するひとつの応答とも受け取れる塩田千春の最新作。ぜひオンラインで触れてほしい。

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