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塩田千春

Chiharu Shiota

塩田千春 時を運ぶ船 2017

 塩田千春は1972年大阪府生まれ。京都精華大学芸術学部洋画専攻を卒業後、ハンブルグ美術大学に入学。その後ブラウンシュバイク美術大学に在籍し、マリーナ・アブラモヴィッチに師事。ベルリン芸術大学ではレベッカ・ホルンに師事し、現在もベルリンを拠点に活動。空間に糸を張り巡らせた展示や、履き古された膨大な数の靴を使った展示など、大規模なインスタレーションで知られており、その根底には「生きることとは何か」「存在とは何か」といった問いがある。

 15年には第56回ヴェネチア・ビエンナーレで日本館代表に選出され、空間を埋め尽くす赤い糸と、そこに結ばれた無数の鍵、2艘の舟で構成された《掌の鍵》を日本館で展示した。同作は16年、KAAT 神奈川芸術劇場で開催された帰国記念展「鍵のかかった部屋」で再構成され、新作として展示された。

 主な個展に「私たちの行方」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2012)、「ありがとうの手紙」(高知県立美術館、2013)など。第3回モスクワ・ビエンナーレ(2009)、第20回シドニー・ビエンナーレ(2016)、奥能登国際芸術祭2017(石川)など数々の国際展や芸術祭にも参加している。08年に平成19年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、平成19年度咲くやこの花賞(美術部門)を受賞。