古今東西のアーティストが表現する「眠り」。「眠り展」(東京国立近代美術館)
古今東西のアーティスたちの想像/創造を駆り立ててきた「眠り」。その表現にフォーカスした「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」が、東京国立近代美術館で開幕した。会期は2021年2月23日まで。
本展には、国立美術館の約4万4000点におよぶコレクションから、ゴヤ、ルーベンス、クールベ、河原温、内藤礼、塩田千春など、33人のアーティストによる119点の作品が集結。《理性の眠りは怪物を生む》(1799)などの版画を手がけた18~19世紀の巨匠・ゴヤを案内役として、夢、活動の休止、死といった意味も含め、美術における「眠り」が持つ可能性を探る。
なお本展のデザインは、展示室をトラフ建築設計事務所が、グラフィックを平野篤史が担当。多様な作品とあわせて、微睡みを誘うような会場の雰囲気も楽しみたい。
会期:2020年11月25日〜2021年2月23日
会場:東京国立近代美術館
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜17:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし2021年1月11日は開館)、12月28日〜2021年1月1日、1月12日
料金:一般 1200円 / 大学生 600円
コレクションと現代作家の共演。「ふたつのまどか」(DIC川村記念美術館)
千葉・佐倉市のDIC川村記念美術館では、「ふたつのまどか―コレクション×5人の作家たち」が11月29日に閉幕する。
本展は同館の開館30周年を記念して行われるもの。さわひらき、杉戸洋、野口里佳、福田尚代、渡辺信子という5人の作家がコレクションを読み解き、新たに手がけたインスタレーションがひとつの空間で展開される。
例えば杉戸洋は、ミニマリズムの彫刻家ラリー・ベルの作品《無題》(1969)を選び、これと呼応する繊細な輝きを放つ絵画や、複数の新作を展示。野口里佳は、彫刻家・画家のジョアン・ミロが晩年暮らしたスペイン・カタルーニャ地方のマヨルカ島を訪ね、その作品《コンポジション》(1924)にインスピレーションを得て、「飛ぶもの」と「宇宙と交信する木」をキーワードとした新作を発表している。
会期:2020年6月16日~11月29日
会場:DIC川村記念美術館
住所:千葉県佐倉市坂戸631
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1300円 / 学生・65歳以上 1100円 / 小中高生 600円
※事前予約制。チケットの購入方法は公式ウェブサイトを参照
桃山美術の名品を紹介。「桃山―天下人の100年」(東京国立博物館 平成館)
室町幕府の滅亡(1573)から江戸幕府開府(1603)までの30年間に花開いた、豪壮で華麗な「桃山美術」。これを中心に、日本人の美意識の変革をたどる特別展「桃山―天下人の100年」が、東京国立博物館 平成館で11月29日に終了する。
時代ごとに7章に分け、約230件の優品から「桃山美術」の特質に迫る本展。注目したいのは、伊達政宗が豊臣秀吉から拝領した、重要文化財の甲冑《銀伊予礼白糸威胴丸具足》(16世紀)や、国宝の狩野永徳筆《洛中洛外図屛風(上杉家本)》(16世紀)をはじめとする障屛画の名品の数々だ。
また、西洋文化との交流がうかがえる品々や、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった権力者のもとで愛された茶道具や障屛画、そして戦国武将に好まれた表現が、優美で自然な調和を重んじる表現へと変遷する流れを見ることができる作品までを紹介。最後は二条城の障壁画として狩野山楽が描いた《松鷹図襖・壁貼付》(1626)が飾る。
会期:2020年10月6日〜11月29日
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:03-5777-8600
開館時間:9:30〜18:00(金土〜21:00)
料金:一般 2400円 / 大学生 1400円 / 高校生 1000円
※事前予約制。チケットの購入方法は公式ウェブサイトを参照