EXHIBITIONS

眠り展:アートと生きること

ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで

フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 『ロス・カプリーチョス』:理性の眠りは怪物を生む 1799 国立西洋美術館蔵

ペーテル・パウル・ルーベンス 眠る二人の子供 1612-13頃 国立西洋美術館蔵

塩田千春 落ちる砂 2004 国立国際美術館蔵

内藤礼 死者のための枕 1997 国立国際美術館蔵

荒川修作 抗生物質と子音にはさまれたアインシュタイン 1958-59 国立国際美術館蔵 © 2015 Estate of Madeline Gins. Reproduced with permission of the Estate of Madeline Gins.

饒加恩(ジャオ・チアエン) レム睡眠(展示風景) 2011 国立国際美術館蔵 © Chia-En Jao

 東京国立近代美術館は「眠り展:アートと生きること」を開催。人々にとって生きていくうえで欠かせないものであり、芸術家たちの創造を駆り立ててもきた「眠り」のかたちを、国立美術館のコレクションで見ていく。

 国立美術館は、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館、国立映画アーカイブの6館からなる日本のナショナルミュージアム。本展はその合同展の第3弾として、ペーテル・パウル・ルーベンス、フランシスコ・デ・ゴヤ、オディロン・ルドン藤田嗣治内藤礼塩田千春など、国立美術館の豊富な所蔵作品のなかから厳選した、古今東西のアーティスト33人の作品約120点が一堂に会する。

 展示は、18〜19世紀に活躍した巨匠・ゴヤを案内役に7章構成で、絵画、版画、素描、写真、立体、映像など幅広いジャンルの作品を展示。「眠り」が歴史のなかでどのように表現されてきたか、美術における眠りがもつ可能性、そしてそれらが私たちに投げかけるものは何かを探る。

 また展示室の設計デザインをトラフ建築設計事務所が、グラフィックデザインを平野篤史(AFFORDANCE)が担当。「眠り」というテーマから、展示空間にはカーテンを思わせる布、布のようなグラフィックなどが現れるほか、「夢かうつつか」はっきりしない状態をイメージさせる不安定な文字デザインなど、起きていながらにして「眠り」の世界へ誘う様々な仕掛けも見どころとなる。