EXHIBITIONS

特別展「桃山―天下人の100年」

2020.10.06 - 11.01, 2020.11.03 - 11.29

狩野永徳筆 唐獅子図屛風 安土桃山時代・16世紀 東京・宮内庁三の丸尚蔵館蔵 後期展示

長谷川等伯筆 楓図壁貼付 安土桃山時代・文禄元年(1592)頃 京都・智積院蔵 国宝 通期展示

黄瀬戸立鼓花入 銘 旅枕 美濃 安土桃山時代・16世紀 大阪・和泉市久保惣記念美術館蔵 重要文化財 展示期間=10月27日〜11月29日

銀伊予札白糸威胴丸具足 安土桃山時代・16世紀 宮城・仙台市博物館蔵 重要文化財 前期展示

刀 無銘 伝元重・朱漆打刀 (刀身)伝備前元重 南北朝時代・14世紀 (刀装)安土桃山~江戸時代・16~17世紀 東京国立博物館蔵 重要文化財 通期展示

 特別展「桃山―天下人の100年」が東京国立博物館で開催。1573年の室町幕府の滅亡から1603年の江戸幕府開府までの30年間で花開いた「桃山美術」を中心に、室町時代末〜江戸時代初期にかけて移り変わる日本人の美意識を、名品の数々によって紹介する。

 日本美術史上もっとも豪壮で華麗な美術が展開された安土桃山時代。織田信長が室町幕府を滅亡させた1573年から少し遡り、1543年に戦国の幕開けの象徴でもある鉄砲が伝来した翌年に島原の乱の鎮圧があり、そしてポルトガル船の入国を禁止し、1639年に鎖国が行われた。豊臣秀吉が北条氏を滅ぼし天下統一を果たした1590年が、その100年間のほぼ中間地点と言え、安土桃山時代を中心として日本は中世から近世へ、戦国武将が争う下剋上の時代から、江戸幕府による平和な治世へと移り変わっていった。

 本展では、室町時代末から江戸時代初期にかけての激動の時代に生まれた美術を概観し、桃山時代の美術の特質を検証。狩野元信の直系にあたる永徳や探幽、長谷川等伯や海北友松などの絵画から、千利休や古田織部の茶道具、さらに上杉謙信や伊達政宗、豊臣秀吉など戦国武将ゆかりの武具甲冑まで、政治とともに美術も変革の時代であったことを示す約230件の優品が一堂に集まる。

 激動の時代に「日本人」がどう生き、どのように文化が形成したのか、日本美術史のなかでも特筆される変革の時代の「心と形」を考える展覧会。