内藤礼の個展がタカ・イシイギャラリーで開催。生の外と内をめぐる自由で純粋な連続性を提示

内藤礼の個展が、東京・六本木のタカ・イシイギャラリーで開催される。会期は11月27日〜12月26日

内藤礼 精霊 2020 金沢21世紀美術館展示風景 撮影=畠山直哉

 今年、金沢21世紀美術館で個展「うつしあう創造」を開催した内藤礼。その先に見出す生の瞬間とビジョンを紹介する個展が、東京・六本木のタカ・イシイギャラリーで開催される。会期は11月27日〜12月26日。

 内藤礼は1961年広島県生まれ、東京都在住。91年に佐賀町エキジビット・スペースで発表した「地上にひとつの場所を」で注目を集め、97年には第47回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館で同作を展示。これまでの主な個展に「みごとに晴れて訪れるを待て」(国立国際美術館、大阪、1995)、「Being Called」(フランクフルト近代美術館企画、カルメル会修道院、フランクフルト、1997)、「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」(神奈川県立近代美術館 鎌倉、2009)、「信の感情」(東京都庭園美術館、2014)などがある。

 今回の個展で発表される《color beginning》は、紙に赤の色鉛筆で描いたシリーズ「namenlos/Licht」(1993~)の流れを汲んで2005年より始まり、色彩の新たな発見から始まった絵画シリーズ《無題》(2006~)とのつながりをもつ作品だ。内藤の作品における外と内の境界は、近年さらに分かちがたいものとなり、絵画が内包する矩形や物質性といった枠組みを越え、作品自体が定義から解き放たれていくようになっている。

 同展では、こうした生の外と内をめぐる自由で純粋な連続性を持つ作品を、ギャラリーの窓から差し込む光により、刻々と変化するインスタレーションへと広がっていくように展示。空間に流れ込む陽光を映しながら、六本木という都市の隙間で、生滅が連なる情景の出現を試みる。

編集部

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