パープルームギャラリーで星川あさこの個展が開催。多彩な活動に宿る「実存」と「喪失」への執着

神奈川・相模原のパープルームギャラリーで、複数のジャンルを横断する作家、星川あさこの近年の活動を紹介する個展「ファンタジーホスピタル」が開催される。会期は7月23日〜7月31日。

星川あさこ「ファンタジーホスピタル」のイメージビジュアル

 複数のジャンルを横断しながらキャラクターが登場する作品を制作し続けてきた星川あさこ。その近年の活動を紹介する展覧会が、神奈川・相模原のパープルームギャラリーで開催される。会期は7月23日〜7月31日。

 星川は1984年、広島県生まれ。これまでに「スペース変形菌」(2016、スペースたのしい、名古屋)、「セイント☆菌類展」(2016、spazio rita、名古屋)、「SF菌類展」(2016、高円寺pocke、東京)と個展を開催してきた。

 星川の活動は、絵画、ドローイング、刺繍、陶芸、ライトノベルの執筆、ミュージックビデオの制作と多岐にわたるが、その作中には、星川自身の自画像であるというキャラクターが頻繁に登場する。

星川あさこ 手術中にいちごミルクを飲んでいたら容態が急変した 2019 板、医療用コットン、アクリル、シリコン、花粉増量剤、鉛筆 30×30.4cm

 竹久夢二や雑誌『花とゆめ』の初期に通ずる叙情性を漂わせるそれらのキャラクターは、時に輪郭線が溶けてほとんど抽象的な形態になったり、細胞組織に還元されてしまうこともある。こうしたキャラクターが拡大・縮小、または分裂・増殖する背景には、星川の粘菌やきのこへの強い関心があるという。

星川あさこ 存在の枠組み 2020 板、医療用コットン、針金、シリコン、アクリル、鉛筆 91.1×60cm

 星川の活動は一見すると取り留めがなく、様々なあらわれ方をする。しかし、その中心には常に「実存」と「喪失」への強い執着があると、本展を主催する梅津庸一は指摘する。多様な作品群をめぐりながら、星川の活動に通底する作家としての執着を導き出す展覧会となっている。

星川あさこ 窓の外が白い 2019 30×29.9cm 板、アクリル、鉛筆

編集部

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