2020.6.5

杉本博司展から森山大道展まで。今週末に見たい展覧会ベスト3

新型コロナウイルスの影響による臨時休館を経て、全国の美術館・博物館が再開を発表。そのなかから、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。予約方法や注意事項については、各館の公式ウェブサイトを参照してほしい。

「杉本博司 瑠璃の浄土」の展示風景より、中央が《仏の海(中尊)》(1995) (C)Hiroshi Sugimoto
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日本人が求めてきた浄土とは?「杉本博司 瑠璃の浄土」(京都市京セラ美術館

展示風景より、「OPTICKS」シリーズ (C)Hiroshi Sugimoto

 開館延期が続いていた京都市京セラ美術館は、5月26日についにオープン。こけら落としとして「杉本博司 瑠璃の浄土」(10月4日まで)、「コレクションルーム(春期)」(2021年3月14日まで)が開催されている。

 「杉本博司 瑠璃の浄土」は、長きにわたって浄土を追求してきた「日本人の心のありよう」を見つめ直す展覧会。杉本が仮想の寺院の荘厳を構想しながら構成し、世界初公開となる大判カラーの写真作品「OPTICKS」シリーズや、「京都」「浄土」「瑠璃ー硝子」にまつわる様々な作品、考古遺物を展示する。

 なお同館は、19日まで来館者を京都府民のみに限定。その後も入館には事前予約が必要となる。入館時には、検温とマスク着用が義務付けられている。

会期:2020年5月26日~10月4日
会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話番号:075-771-4334
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は開館)
 

朝香宮邸の姿を再現。「東京モダン生活 東京都コレクションにみる1930年代」(東京都庭園美術館

本館での展示風景

 2月29日から臨時休館していた白金台の東京都庭園美術館は、6月1日に再開。これにあわせ、「東京モダン生活 東京都コレクションにみる1930年代」もスタートした。会期は9月27日まで。

 本展は、旧朝香宮邸である同館の魅力を紹介する、年に一度の建物公開展。今回は1930年代の東京に焦点を当て、いまなお確かに息づく「モダンの息吹」を紹介する。本館では家具調度を室内にしつらえて邸宅空間を再現するほか、新館では、東京都が所有する絵画や家具、写真、雑誌、衣服などの多彩なコレクションを展示する。

 なお入館予約は不要だが、入館時の検温とマスクの着用は義務化。混雑時は入場制限が行われ、「ウインターガーデン」など一部の展示室・設備の公開は休止となっている。

会期:2020年6月1日~9月27日
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:第2・第4水
料金:一般 900円 / 大学生 720円 / 65歳以上・中学・高校生 450円
 

森山大道の現在形を見る。「森山大道の東京 ongoing」(東京都写真美術館

展示風景より、奥が《三沢の犬》(1971)

 同じく都立美術館である恵比寿の東京都写真美術館は、6月2日に再開。当初の予定通り「森山大道の東京 ongoing」が開幕し(9月22日まで)、 「写真とファッション 90年代以降の関係性を探る」は7月19日まで会期延長となっている。

 「森山大道の東京 ongoing」では、スナップショットで東京という街をとらえ続けてきた写真家・森山大道の最近作を中心に展覧。その代名詞ともいえるモノクロ写真と、シリーズ「Pretty Woman」(2017)などにおける鮮烈なカラー写真を対比させ、約120点の作品を紹介する。

 同館も予約は不要で、入館時の検温とマスクの着用が義務化。エレベーターの定員は4名に制限、展示室では混雑時に入場制限を行うとしている。

会期:2020年6月2日~9月22日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
料金:一般 700円 / 大学・専門学校生 560円 / 中学・高校生・65歳以上 350円 / 小学生以下無料