日本ファッション界の草分け的存在。「森英恵 世界にはばたく蝶」(水戸芸術館現代美術ギャラリー)
戦後の復興期に活動を始め、以来半世紀にわたってオートクチュールや映画・舞台の衣装を手がけてきたデザイナー、森英恵。その活動をたどる展覧会「森英恵 世界にはばたく蝶」が、2月22日に水戸芸術館現代美術ギャラリーで開幕した。
森は1951年にスタジオを設立。65年にニューヨークで初の海外コレクションを発表し、77年にはパリにメゾンをオープンするなど、オートクチュール組合に属する唯一の東洋人として国際的な活動を展開してきた。本展は、そんな森を象徴する存在である「蝶」をモチーフに、手仕事による作品を通してその足跡を追うものだ。
会場では多彩なオートクチュールとともに、思い出の原風景からオートクチュールの世界へとはばたいた森の蝶たちをイメージした体験型の映像作品を展示。加えて浅丘ルリ子、石原裕次郎ら銀幕スターのための映画衣装や様々な舞台衣装、バルセロナ五輪や大阪万博におけるユニフォームにも注目したい。
会期:2020年2月22日~5月6日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号:029-227-8111
開館時間:9:30~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月、2月25日(ただし2月24日、5月4日は開館)
料金:一般 900円 / 高校生以下・70歳以上無料
テーマは「時間を想像する」。「第12回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館ほか)
2009年から、恵比寿の東京都写真美術館を中心に開催されてきた「恵比寿映像祭」。「時間を想像する」をテーマとしたその第12回が、2月23日に閉幕する。
今回、東京都写真美術館で注目したいのは、スタン・ダグラスによる映像インスタレーション《ドッペルゲンガー》(2019)と、北朝鮮の舞踊家・崔承喜(サイ・ショウキ)のリサーチをもとに展開するナム・ファヨンの《半島の舞姫》(2019)。ふたりは、同作を昨年の第58回ヴェネチア・ビエンナーレで発表している。
そのほかにも同館では時里充、木村友紀、小森はるか+瀬尾夏美、シュウゾウ・アズチ・ガリバー、ベン・リヴァース、ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・ザニらが作品を展示。また日仏会館では高谷史郎による《Toposcan/Tokyo》(2020)、恵比寿ガーデンプレイスセンター広場では、迫力ある花火の映像をドームで体感する《ハナビリウム》(2019)を見ることができる。
会期:2020年2月7日〜23日
会場:東京都写真美術館、日仏会館、ザ・ガーデンルーム、恵比寿ガーデンプレイス センター広場、地域連携各所ほか
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内(東京都写真美術館)ほか
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~20:00(最終日〜18:00)
料金:無料(定員制のプログラムは有料)
国内最大級、ミイラを科学する展覧会。「特別展 ミイラ ~『永遠の命』を求めて」(国立科学博物館)
20世紀から世界各地で学術調査が行われ、その背景にある多様な文化が明らかになりつつある「ミイラ」。その文化的・学術的な価値を紹介する「特別展 ミイラ ~『永遠の命』を求めて」が2月24日、東京・上野の国立科学博物館で終了する。
本展には、自然にミイラとなったものから人工的につくられたミイラまで、南米、エジプト、ヨーロッパ、オセアニア、日本から43体のミイラが集結。最新の調査・研究の成果を踏まえて、ミイラへの理解を深め、人類が持つ多様な死生観や身体観を考えるための展示となっている。
なお、23日・24日は通常17:00閉館のところ、18:00までの会場時間延長が決定(入場は閉館の30分前まで)。世界各地のミイラを総覧する、またとない機会をお見逃しなく。
会期:2019年11月2日~2020年2月24日
会場:国立科学博物館
住所:東京都台東区上野公園7-20
電話番号:03-5777-8600
開館時間:9:00~17:00(金土〜20:00、2月23日・24日 〜18:00) ※入場は17:30まで)
料金:一般・大学生 1700円 / 小学・中学・高校生 600円