EXHIBITIONS

森英恵 世界にはばたく蝶

Illustrated by Tony Viramontes Copyright Tony Viramontes Studio Archive, Courtesy of Dean Rhys Morgan, Works On Paper

2002 春夏コレクション 撮影:伊奈英二、画像提供=島根県立石見美術館

2000-01 秋冬コレクション 撮影=篠山紀信

オペラ『マダム・バタフライ』蝶々夫人の婚礼衣裳 画像提供=島根県立石見美術館

『蝶々夫人』2002年中国公演 撮影:三好英輔、画像提供=劇団四季

2000-01 秋冬コレクション 撮影=篠山紀信

「ひよしや」開店当初の森英恵、1951年頃

 日本人ファッションデザイナーのパイオニアであり、日本の女性の社会進出の先駆けを象徴する憧れの存在として、人々に愛されてきた森英恵。戦後の復興期に自身のブランドを立ち上げた森は、1965年にニューヨークで初の海外コレクションを成功させると、77年にはパリにメゾンをオープンし、オートクチュール組合に属する初めての東洋人としてこれまで国際的に活躍してきた。

 本展では、森の多岐にわたる手仕事の作品を通し、激動の時代をしなやかに切り開いてきた足跡をたどるもの。自身も「マダムバタフライ」と称されるように、森が「蝶」を代表的なモチーフとして半世紀にわたり手がけてきたオートクチュール、日本映画の黄金期や美空ひばりの公演、劇団四季の舞台を彩った衣裳、バルセロナ五輪や70年の大阪万博のためにデザインしたユニフォームなどが展示される。
 
 また展示品のなかには、50年代に森がファッションデザイナーとしてのキャリアをスタートした新宿の「ひよしや」時代の写真や、オートクチュール制作に不可欠な素材や実際に使用していた道具などの貴重な資料も並ぶ。

※本展は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、4月2日をもって会期終了。