2019.12.14

カルティエから魅惑の印象派まで、今週末に見たい3つの展覧会

12月16日までに終了する展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介する。この機会をお見逃しなく。

「カルティエ、時の結晶」の会場風景より、杉本博司《逆行時計》(2018)
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印象派の名品が勢揃い。「コートールド美術館展 魅惑の印象派」(東京都美術館

ピエール=オーギュスト・ルノワール 桟敷席 1874 コートールド美術館蔵 (C) Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)

 印象派とポスト印象派の殿堂として知られる、イギリス・ロンドンのコートールド美術館。そのコレクションから、選りすぐりの作品60点と資料24点を紹介する「コートールド美術館展 魅惑の印象派」が12月15日、東京都美術館で閉幕する。

 「画家の言葉から読み解く」「時代背景から読み解く」「素材・技法から読み解く」の3章からなる本展の目玉は、エドゥアール・マネが死の前年に描いた代表作《フォリー=ベルジェールのバー》(1882)。加えて、コートールドが作品をもっとも多く購入したセザンヌや、ルノワール、ゴーガンなど、その豊かなコレクションを堪能することができる。

 めったに貸し出されることのないコートールド美術館の名品が、20年ぶりに一堂に会する本展。この機会を逃さずチェックしてほしい。

会期:2019年9月10日~12月15日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
開館時間:9:30~17:30(金〜20:00) ※入室は閉室の30分前まで
料金:一般 1600円 / 大学・専門学校生 1300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1000円
 

日本初の大規模個展。「カミーユ・アンロ 蛇を踏む」(東京オペラシティ アートギャラリー

会場風景より、カミーユ・アンロ《青い狐》(2014)

 膨大なリサーチを元に、映像、彫刻、ドローイングなど様々なメディアを駆使した作品を発表してきたカミーユ・アンロ。その日本初となる大規模個展「蛇を踏む」が、12月15日に東京オペラシティアート ギャラリーで終了する。

 注目したいのは、第55回ヴェネチア・ビエンナーレで銀獅子賞を受賞した映像作品《偉大なる疲労》(2013)と、インスタレーション重層的なインスタレーション《青い狐》(2014)。ヒップホップのリズムにのせたラッパーによる語りが、各地の神話や宗教、生命の歴史への考察を紡いでいく映像と、空間全体がアンロの思考の流れを示すようなインスタレーションは必見だ。

会期:2019年10月16日〜12月15日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:11:00〜19:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下無料
 

「時間」の視点から見るジュエリー。「カルティエ、時の結晶」(国立新美術館

光学ガラスに置かれた《2枚の「フェーン(シダ)の葉」ブローチ》(1903)

 ジュエリーブランド「カルティエ」の現代作品にフォーカスした、世界初となる展覧会「カルティエ、時の結晶」。新素材研究所(杉本博司+榊田倫之)が会場構成を務める本展が、12月16日に国立新美術館で閉幕する。

 従来のカルティエ展とは異なり、その歴史ではなく色や素材、フォルムといった単位に注目する本展。日本美術や仏師による特注品のトルソー、光学ガラスとのコラボレーションによって、純粋な宝石の美しさと空間の調和を楽しみたい。

 「時」を重要なテーマとして活動する新素材研究所が、ハイジュエリーの数々を新たな視点からとらえた本展をお見逃しなく。

会期:2019年10月2日〜12月16日
会場:国立新美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00(金土 〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料