マネからセザンヌ、ゴーガンまで。「コートールド美術館展」で印象派の名品が来日
イギリスにあるコートールド美術館は、印象派・ポスト印象派の殿堂として世界的に知られる美術館だ。この美術館が所蔵する名品の数々を紹介する大規模展覧会「コートールド美術館展 魅惑の印象派」が9月10日より東京都美術館で開催。その詳細が発表された。
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イギリス・ロンドンにあるコートールド美術館は、印象派とポスト印象派の殿堂として知られる世界有数の美術館のひとつ。数々の名品を所蔵しており、その作品が貸し出されることはめったにない。このたび、そんなコートールド美術館が昨年9月から改修工事に入ったことで、日本での「コートールド美術館展」開催が実現した。
コートールド美術館は、ロンドン大学付属のコートールド美術館研究所として1932年に開館。イギリスの実業家、サミュエル・コートールドが収集したフランスの印象派・ポスト印象派の作品がその中核となっている。
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本展は「画家の言葉から読み解く」「映された時代から読み解く」「素材・技法から読み解く」の3章構成。本展を担当する東京都美術館学芸員・大橋菜都子は、コートールド美術館が美術史と保存科学の研究機関であることを鑑み、このような展示構成となったと話す。
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本展で目玉となるのは、エドゥアール・マネの代表作のひとつで、死の前年に描かれた《フォリー=ベルジェールのバー》(1882)だ。「フォリー=ベルジェール」は当時人気を博していたミュージックホールの名前。画面の大半を鏡の中の世界が占めており、表情が読み取れない女性の表情や、大きく右にずれたその後ろ姿など、発表当時から賛否を呼んだ作品だ。
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記者発表会に特別ゲストとして登場した作家でドイツ文学者・中野京子は、本作の不思議な構図について「すべてがイリュージョンだった」と語る。一見賑やかなミュージックホールだが、病に冒されていたマネは、実際にこの場で描いたわけではなく、アトリエにバーを再現。バーメイドのモデルを呼んで描いたという。マネの集大成とも言われる本作は、約20年ぶりの来日となる。
このほか、マネの作品としては、《草上の昼食》(1863頃)、《アルジャントゥイユのセーヌ河岸》(1874)などが出品される。
もちろん見どころはマネだけではない。コートールド美術館は世界有数のセザンヌ・コレクションを有することでも知られており、その多くは1920〜30年代にサミュエル・コートールドが収集した作品となっている。本展では、そのなかから《大きな松のあるサント=ヴィクトワール山》(1887頃)や《カード遊びをする人々》(1892-96頃)、《キューピッドの石膏像のある静物》(1894)など油彩10点が展覧。同時に、セザンヌがエミール・ベルナールに宛てた手紙9通も公開される。
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このほか、ピエール=オーギュスト・ルノワールの《桟敷席》(1874)、エドガー・ドガ《舞台上の二人の踊り子》(1874)、クロード・モネの《アンティーブ》(1888)、フィンセント・ファン・ゴッホの《花咲く桃の木々》(1889)、ポール・ゴーガンの《ネヴァーモア》(1897)、アメデオ・モディリアーニの《裸婦》(1916頃)など、絵画・彫刻あわせて約60点が来日する。
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