2019.7.19

日本初の大規模個展。カミーユ・アンロ「蛇を踏む」が東京オペラシティ アートギャラリーで10月開催

フランスを代表する現代アーティストであり、2013年の第55回ヴェネチア・ビエンナーレで銀獅子賞を受賞したカミーユ・アンロ。その待望の日本初の大規模個展「蛇を踏む」が、初台の東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。会期は10月16日〜12月15日。

カミーユ・アンロ 青い狐 2014 パレ・ド・トーキョーでの展示風景(2017) Photo by Zachary Tyler Newton / courtesy the artist and kamel mennour (Paris/London) Metro Pictures (New York) Galerie König (Berlin) © ADAGP, Paris & JASP
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 カミーユ・アンロは1978年フランス生まれのアーティスト。映像、彫刻、ドローイング、インスタレーションなど様々なメディアを駆使し、その作品は文学、哲学、美術史、天文学、人類学、博物学、デジタル化された現代の情報学など多岐にわたる膨大なリサーチに基づき生み出される。

 2013年には、映像作品《偉大なる疲労》で第55回ヴェネチア・ビエンナーレの銀獅子賞を受賞。17年にはパレ・ド・トーキョー(パリ)で全館を使った個展「carte blanche」(全権委任・自由裁量)の開催権を与えられた史上3人目の作家となり、現代美術の世界で大きな注目を集めている。

カミーユ・アンロ 偉大なる疲労 2013 ヴィデオcourtesy the artist, Silex Films, kamel mennour (Paris/London) Metro Pictures (New York) Galerie König (Berlin) 
© ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo  2019

 そんなアンロの日本における初の大規模個展が「蛇を踏む」だ。

 本展では、大型のインスタレーション作品を含めた作家のこれまでと現在を総合的に展示。日本のいけばなに触発され、2011年から継続的に制作されているシリー ズ「革命家でありながら、花を愛することは可能か?」では、草月流の全面的な協力を得て会場で作品を制作するという。

カミーユ・アンロ 革命家でありながら、花を愛することは可能か 2011-
ギャラリー・カメル・メヌールでの展示風景(2012)
Photo by Zachary Tyler Newton
courtesy the artist and kamel mennour (Paris/London)Metro Pictures (New York) Galerie König (Berlin) 
© ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo2019

 また、アンロの興味の対象、思考の過程に直に触れることができるものとして、作家活動の初期から描き続けられているドローイングも展示。このほか、アフリカ・ドゴン族の創世神話に関する著作とドイツの哲学者、ゴットフリード・ライプニッツの原理を端緒に、宇宙の成り立ちや人間の生、世界の秩序と多義性を、空間全体を使って考察・構成した重層的なインスタレーション《青い狐》(2014)、そして上述の《偉大なる疲労》などが並ぶという。

カミーユ・アンロ 青い狐 2014 パレ・ド・トーキョーでの展示風景(2017)
Photo by Zachary Tyler Newton
courtesy the artist and kamel mennour (Paris/London) Metro Pictures (New York) Galerie König (Berlin)  
© ADAGP, Paris & JASP