「ブダペスト展」から「サラ・ベルナールの世界展」まで。今週末に見たい3つの展覧会

スタートしたばかりの展覧会と、12月8日までに終了する展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップしてご紹介。この機会をお見逃しなく。

 

「サラ・ベルナールの世界展」展示風景

400年の歴史を概観。「ブダペスト ヨーロッパとハンガリーの美術400年」(国立新美術館)

展示風景より、シニェイ・メルシェ・パール《紫のドレスの婦人》(1874)

 ハンガリーを代表する美術館であるブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリー。この2つの美術館のコレクションを集めた展覧会「ブダペスト ヨーロッパとハンガリーの美術400年」が、国立新美術館でスタートした。

 本展は、「ルネサンスから18世紀まで」と「19世紀・20世紀初頭」の2部構成。各章でそれぞれ65点、計130点の絵画・ドローイング・彫刻が紹介され、ハンガリーの作家はもちろん、広くヨーロッパの芸術作品を西洋美術史の流れに沿って見ることができる。

 約400年の西洋美術の歴史を辿りながら、各時代のハンガリーの画家たちが残した軌跡を堪能したい。

会期:2019年12月4日〜2020年3月16日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(金土〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火、2019年12月24日〜2020年1月7日、2月12日
料金:料金:一般 1700円 / 大学生 1600円 / 高校生 1200円 / 中学生以下無料

ミュシャを見出した大女優。「サラ・ベルナールの世界展」(渋谷区立松濤美術)

展示風景より

 19世紀半ばから20世紀初頭にかけて活動したフランス出身の女優、サラ・ベルナール。その人生を振り返る展覧会が、渋谷区立松濤美術館で始まった。

 ベルナールはパリで女優として成功を収めた後、ヨーロッパ諸国やアメリカなどフランス国外にも活躍の場を広げた。また、自らの一座を立ち上げ劇場経営にも携わったほか、アーティストとして彫刻作品を制作。生涯にわたって幅広く活動した。

 画家のアルフォンス・ミュシャや宝飾デザイナーのルネ・ラリックなど、若き芸術家たちの才能をいち早く見出したことでも知られているサラ。本展では、そんなサラの人生を、当時の貴重な写真や肖像画、舞台衣装や装飾品のほか、ミュシャやラリックによる作品とともに概観する初の試みとなっている。

会期:2019年12月7日~2020年1月31日
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤2-14-14 電話番号:03-3465-9421 開館時間:10:00〜18:00(金〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし1月13日は開館)、12月29日〜1月3日、1月14日
料金:一般 500円 / 大学生 400円 / 高校生・60歳以上 250円 / 小・中学生 100円

竹工芸の名品が里帰り。「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション―メトロポリタン美術館所蔵」(東京国立近代美術館工芸館)

飯塚小玕斎 白錆花籠 雲龍 1990

 「アビー・コレクション」とは、ニューヨークのコレクター・アビー夫妻が収集した、日本近現代の竹工芸コレクション。2017年にはアメリカのメトロポリタン美術館に収蔵され、これを機に展覧会「Japanese Bamboo Art: The Abbey Collection(日本の竹工芸:アビー・コレクション)」が開催。同展は47万人以上を動員し、大きな話題を呼んだ。

 本展は、「日本の竹工芸:アビー・コレクション」展の巡回展として初の里帰り。工芸館所蔵の近代工芸の名品とあわせて、アビー・コレクションから厳選した75件の竹工芸を展示し、自由な造形美の魅力を紹介する。8日まで。

会期:2019年9月13日~12月8日
会場:東京国立近代美術館工芸館
住所:東京都千代田区北の丸公園1-1
電話:03-5777-8600
開館時間10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月
観覧料一般 900円 / 大学生 500円 / 高校生 300円 / 中学生以下無料

編集部

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