自らの身体を使った独自の表現を確立
リー・バウリーは1961年オーストラリア、メルボルン郊外の町サンシャインで生まれ育った。文化的刺激が十分にない暮らしに飽き飽きしたバウリーはメルボルンの大学でファッションデザイン・コースに1年だけ在籍したのち、パンクやニューロマンチックシーンに魅せられて1980年にロンドンに移住する。当初はファッション・デザイナーとして自身のコレクションを発表し、その後はアーティスト、パフォーマー、クラブキッド、モデル、TVプレゼンターなど、ジャンルを問わない活動を繰り広げた。既存のルールの限界に挑むべく、奇抜なメイクアップや服装、ときには全裸で、人々の感性を刺激してパフォーミング・アートの新しい形態を探求し続けた人物だ。

© Fergus Greer. Courtesy The Michael Hoppen Gallery