2019.8.30

エルネスト・ネトやクリス・バーデンの大作、塩田千春の新作も。金沢21世紀美術館の開館15周年記念展をチェック

今年10月、開館15周年を迎える金沢21世紀美術館。これを記念して「現在地:未来の地図を描くために」が開催される。本展では収蔵後初めて公開される作品や、毛利悠子、ミヤギフトシらによる新作も展示。会期は9月14日〜12月19日(現在地[1])、10月12日~2020年4月12日(現在地[2]、展示替えあり)。

クリス・バーデン メトロポリス 2004 photo by KIOKU Keizo (C) Chris BURDEN Estate ※現在地[2]のみ展示
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 金沢21世紀美術館は今年で開館15周年。これを記念して「現在地:未来の地図を描くために」が開催される。会期は現在地[1]が9月14日~12月19日、現在地[2]が10月12日~2020年4月12日。

 同館がこれまでに収集した作品は約4000点。本展ではそのコレクションを中心に、未来を見つめるために立つ今ここを「現在地」として、同時代を生きる作家による世界への眼差しをとらえて紹介。現在地[1]では約50作家の70作品、現在地[2]では約60作家の140作品を展示する。

エルネスト・ネト 身体・宇宙船・精神 2004 photo by FUKUNAGA Kazuo © Ernesto NETO ※現在地[1]のみ展示

 現在地[1]は、エルネスト・ネトやオラファー・エリアソンのコレクション作品を軸に、同館で初展示となるムン・キョンウォン&チョン・ジュンホやティファニー・チュンらによる作品を紹介するもの。また会場には、演劇ユニット・Port Bを主催する高山明によるプロジェクト《マクドナルドラジオ大学》が登場。そのほかにも、ゲームの分野で発展する思考や感覚の拡張やネットワーキング、バイオテクノロジーを用いて芸術の新たな可能性を切り開く作品などが展示される。

エル・アナツイ パースペクティブ 2015 © El Anatsui photo by KIOKU Keizo ※現在地[2]のみ展示

 いっぽう現在地[2]では、数多くの伝統工芸がいまなお息づく金沢ならではの工芸作品も取り上げる。蒔絵や九谷焼といった伝統的な技法を用いて制作された作品のほか、田嶋悦子、桑田卓郎ら工芸の領域を広げる現代の作品など、伝統と革新の共存を見ることができる。

 加えて現在地[2]では、田中敦子《work》、小谷元彦《ドレイプ》などの作品が収蔵後初公開。また照屋勇賢、塩田千春(後期)、毛利悠子(後期)が同館の空間にあわせた新作を発表するほか、ミヤギフトシ(後期)がコレクション作品とのコラボレーションで構成する新作を展示する。

田嶋悦子 Cornucopia 02-XII 2002 photo by SAIKI Taku ※現在地[2]のみ展示