鋳造の超絶技巧。金沢21世紀美術館が気鋭のアーティスト・久野彩子をピックアップ

アーティスト・久野彩子の個展「都市のメタモルフォーゼ」が、石川県の金沢21世紀美術館で開催されている。本展は、同館が14年より実施している、若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会シリーズ「アペルト」の第11回目。会期は9月23日まで。

久野彩子 transform-hemisphere- 2018 © KUNO Ayako

 久野彩子は1983年東京都生まれ。2008年に武蔵野美術大学工芸工業デザイン科金工専攻を卒業し、10年に東京芸術大学大学院美術研究科工芸専攻(鋳金)修士課程を修了した。現在も東京を拠点に活動を行っている。

 これまで「侵蝕」(3331 GALLERY、東京、2015)、「第3回金沢・世界工芸トリエンナーレ」(金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA、石川、2017) 、平成30年度特別展「金属工芸」(金沢市立安江金箔工芸館、石川、2018)といった工芸中心の展覧会に参加してきた久野。蝋でつくった精密な形状を鋳物に置き換える「ロストワックス鋳造技法」を用いてつくられる久野の作品は、硬質で重厚な金属の質感とともに、細部にまで技巧を凝らした表現も併せ持つ。

久野彩子 skyline-TOKYO- 2019 © KUNO Ayako

 現在、久野の個展「都市のメタモルフォーゼ」が、石川県の金沢21世紀美術館で開催中。本展は、同館が14年より実施している若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会シリーズ「アペルト」の第11回目だ。

 本展は、様態を変えながら増殖し構築されていく都市の蠢きを思い起こすような作品群で構成されている。堅牢な金属に施された高密度の造形美を通じて、「都市」のイメージを深めたい。

編集部

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