ドゥルーズ/ガタリにインスパイアされた作品群。大崎晴地、村山悟郎らによる展覧会「Between figure and contour」をチェック

今年6月に東京で行われる「アジア・ドゥルーズ=ガタリ研究会議」。この会期中、2人の思想にインスパイアされた作品を発表する展覧会「Between figure and contour」が、アーツ千代田 3331で開催される。参加作家は有賀慎吾、伊勢周平、大崎晴地、小沢裕子+相川勝、村山悟郎。会期は6月17日〜23日。

大崎晴地  air tunnel(内観) 2013 photo by Yuka Ikenoya(YUKAI)

 フランスの哲学者、ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリ。ふたりの思想をめぐる「アジア・ドゥルーズ=ガタリ研究会議」の第7回が、東京で開催される。会議は「キャンプ」と呼ばれるサマースクールと本会議で構成され、座長は哲学者の國分功一郎が務める。

 これにあわせ、「キャンプ」の会場であるアーツ千代田 3331で展覧会「Between figure and contour」が開催。参加作家はドゥルーズ/ガタリによる書物やテキストから一節を選び、それをもとに作品を制作を行った。会場では作品に加えて、思考の過程をつづった短いエッセイも発表される。

伊勢周平 undecided title 2019

 参加作家は、人体などをモチーフに黄色と黒の2色を基調とした絵画やインスタレーションを手がける有賀慎吾、不乾性オイルを用いた絵の具を開発するなど、独自の方法論で絵画を追求してきた伊勢周平、心と体、発達のリハビリテーションなどの領野に関わりながら制作・研究活動を行う大崎晴地。

 そして、展覧会「トランス/リアル - 非実体的美術の可能性」(gallery αM、2016)をきっかけに共同で制作を行う小沢裕子+相川勝、自己組織的なプロセスやパターンを、絵画やドローイングを通して表現する村山悟郎の5組だ。

村山悟郎 Drawing/Double coupling 2016

 芸術や芸術理論に大きな影響を与えたドゥルーズ/ガタリ。絵画、映像、インスタレーション、詩、ワークショップなど様々な作品が集まる本展は、実践に向けた次なる哲学、そして芸術へ歩みを進めるきっかけとなるだろう。

編集部

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