藝大食堂前「ショーケース」で毛利悠子が新作を披露。水漏れを抑え、水を循環させるインスタレーションとは?

東京藝術大学取手校地の藝大食堂前にあるギャラリー「ショーケース」で、美術家・毛利悠子の新作インスタレーションが展示される。本展の企画は小沢剛。会期は4月8日〜26日。

毛利悠子による新作のためのドローイング

 2017年10月より取手アートプロジェクトが運営を行っている「藝大食堂」は、東京藝術大学取手校地の森のそばにあり、文化や言葉、価値観など多様なルーツを持っていたり、幅広い年齢層の人々が居合わすことのできる空間を目指している。

 そのための実践の一つとして、食堂前の食品サンプルケースをギャラリー「ショーケース」として活用。同ギャラリーでは毎月、アーティストであり同大学先端芸術表現科の教授を務める小沢剛が展覧会を企画している。

 そして今回は、美術家・毛利悠子による新作展示が行われる。毛利は、磁力や重力、光など、目に見えない力を表現するインスタレーションを手がけてきた。2016年より同大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティスの専任講師も務めている。

 18年にイギリスのカムデン・アーツ・センターと青森県の十和田市現代美術館にて個展を開催した毛利。リヨン・ビエンナーレ(2017)やアジア・パシフィック・トライアニュアル(2018)といった国際展にも参加してきたほか、現在も東京都現代美術館、水戸芸術館現代美術ギャラリー、ベネッセアートサイト直島などで作品展示を行っている。

 今回の展示を開催するにあたって、毛利は次のように語っている。「食堂のテーブルで、水を、ソースを、味噌汁をこぼしてしまった……。そんな偶然の出来事を起点にして、即興的に作品にしようと思います。実際に水漏れを起こし、それに対処することでインスタレーションを構成。無事、漏れを抑え、水を循環させることで作品が成立します」。

 

編集部

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